対象分野 | 農業 |
対象分野詳細 | 加工・流通・輸出振興 |
SDGsゴール |
1. 貧困をなくそう 2. 飢餓をゼロに 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう |
対象国 | タンザニア |
対象地域(州・県名) | 全土 |
対象国・地域の現状 |
タンザニアでは、農業セクターは当国名目GDPの約3割、当国全体の雇用の約7割を占める重要セクターであり、農業セクターの生産性向上や商業化は当国において最重要な政策課題の一つとなっている。タンザニア政府が策定した農業セクター開発プログラムフェーズ2(Agricultural Sector Development Programme Phase 2: ASDP2)(2016年)では、農業の商業化、農産品加工や付加価値を高める技術の導入、自給的農業から国内外の市場を対象とした商業的農業への移行促進も目標としている。 JICAでは、稲作技術や灌漑開発の他、市場志向型の園芸作物生産支援(SHEP)の技術協力、バニラ生産・加工等を支援する草の根協力を実施してきた。今後も引き続き、農業の生産性向上、農産物の収穫後処理、加工、適切な輸送、販売ネットワークの多様化、一次産品の生産・加工等、民間企業の技術やサービスの活用が期待されている。 タンザニアの国土は94.5万㎢(日本の約2.5倍)と広い上に、道路舗装率は幹線道路:61.0%(2017)地方:6%(2017)に留まり、未舗装箇所も多い。北部や南部ではコメ、園芸作物(トマト、キャベツ、アボカド、マンゴ、バナナ等)は全国各地で生産され、仲買人や卸売業者を通して人口の多い都市(例:ダルエスサラーム、ムワンザ、アルーシャ)へと運搬されるが、上記の影響により、振動による痛みや長距離輸送による腐敗等、輸送ロスが大きい。 低温輸送サービスを提供している事例はあるが(タンザニア地場企業等)、その利用は輸出用作物に限定されており、国内市場ではほぼ活用されていない。また、流通網が整備されていないため、作期に合わせた種子や肥料、農薬といった農業投入財も地方の小規模農家にとって入手しづらい状況になっている。 |
解決すべき課題 |
農業バリューチェーン(投入・収穫後処理・加工・流通)の改善 - 適切な器材、技術が浸透しておらず、収穫後ロスが大きい - 品質管理(糖度や重量等による選別)がされていない - 大きな輸送ロス、限定的な低温輸送サービス - 作期に合わせた農業投入材が入手しづらい |
活用が想定される製品・技術・ノウハウ |
- 農産品(野菜等の園芸作物、バニラなどの商品作物、コメ)の収穫後ロスを縮小する技術、または加工/品質管理技術 - 農産品の輸送技術(低温輸送サービス、他)や未舗装道路での輸送において農産品が痛まないような廉価な梱包資材等 - 作期に合わせた投入材の提供サービス(広い国土に農村が散在する状況下、各農村のニーズに合わせて遠隔地に効率よく投入財を流通させるサービス、他) |
市場規模 | |
関連する公的機関 |
農業省(Ministry of Agriculture: MoA) ソコイネ農業大学(Sokoine University of Agriculture: SUA) 産業貿易省(Ministry of Industry and Trade) |
関連するJICAの方針 |
対タンザニア連合共和国国別開発協力方針(2017年9月) 重点分野1 経済成長のけん引セクターの育成 開発課題1-1 農業開発 |
関連するODAプログラム・プロジェクト |
技術協力「SHEPアプローチを活用した県農業開発計画実施能力強化プロジェクト(TANSHEP)」 技術協力「コメ振興支援計画プロジェクト(TANRICE2)」(2019年度終了) 草の根「タンザニア東部ウルグル山域におけるバニラ産地の形成と生計向上」(2019年度終了) 技術協力「品質・生産性向上(カイゼン)による製造業企業強化プロジェクト」 中小・SDGs「市場志向型農業を可能にするサツマイモの品種、栽培・貯蔵技術の普及・実証事業」(2020年度終了) 中小・SDGs「コメ・バリューチェーン向上のための光選別機導入にかかる案件化調査」 |
留意点 | 製品・サービスの購買者として想定される主体のキャパシティやリソース、また現地のインフラ整備状況に応じた提案であることが望ましい(技術的簡便性、安価な購買費用・維持管理費、場合によっては限定的な通信状況で対応可能な技術等) |
リスク | 事業登録や製品認可の手続きが煩雑で時間を要する可能性、もしくは突然の手続き等の解釈の変更などがありうる。 |
備考 | 上述した「活用が想定される製品・技術・ノウハウ」のみに限らず、広く上記の課題解決に寄与する事業内容に期待。 |
参考動画 |
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