民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 02-127-0034)

対象分野 環境
対象分野詳細 参加型天然資源管理
SDGsゴール 1. 貧困をなくそう
17. パートナーシップで目標を達成しよう
対象国 ソロモン
対象地域(州・県名) ガダルカナル島東南部(Labuhira, South East of GuadalcanalIsland)
対象国・地域の現状 ソロモン諸島国は国家開発戦略(2016-2035)においてコーヒー産業を経済開発対象とし、その持続的包括的経済開発中期目標の中で開発対象産品としている。同国農業・畜産省は国家農業・畜産分野政策(2015-2019draft)の中でコーヒーを将来有望な換金
作物としてその栽培を推奨している。
現在ソロモン諸島のガダルカナル州とマライタ州ではアラビカ種、イザベル州ではロブスター種のコーヒーが栽培されており、ソロモン政府は両種のコーヒーの年間生産量を約150 トンと推定しているものの、生産量、栽培面積等を含む正確な情報は把握できておらず、生産活動が確認できる農家の生産高は極めて低い。ガダルカナル州では1980 年代にガダルカナル島中・東南部にあるVatupochau 山(標高約1,500m)を中心とした標高700〜990mの地域(5 村)にコーヒー(Coffea Arabica Caturra)の木20 万本が植栽されたものの、ソロモン諸島が内乱に陥ったことから長期間放置されていた。2014 年に入り国際NGO のフェアトレード事業により、同5 村から数名のコーヒー農家をPNG のコーヒー研修へ送り出し、コーヒー農園の整備、一次加工場(水洗式加工)を含めたコーヒーの生産指導を行い、現在は5 村のうちLabuhira村で生産されたコーヒーが、一次加工後に首都ホニアラへ出荷されている。しかしホニアラで脱穀後の不良豆除去やゴミ除去といった工程欠如による低品質、少ないコーヒー生産量(5 トン/年)により、市場での価格交渉力が弱く販売価格も低迷していることから、一部の篤農家たちによって国際フェアトレード認証へ申請を行う等の生産努力が続けられている。

希少なソロモン諸島のコーヒーはブランディングにより世界市場へアピールする可能性を秘めており、ソロモンのコーヒー品質の向上を図ることにより、ソロモンコーヒーのビジネスチャンス拡大が期待できるとともに、CSR を含めたソロモンコーヒー産業への本邦企業参入が大いに期待されている。
解決すべき課題 コーヒー生産地はガダルカナル島の内陸に位置し、交通インフラが未整備の状態。加工機械は全て手動式であり、コーヒー出荷も人力に頼っている。現在のコーヒー生産状況も含むビジネス展開に向けた十分な事前調査と綿密な事業計画が必要。
活用が想定される製品・技術・ノウハウ コーヒーの品質を向上させるために日本製の水分計、パーチメント脱穀機を導入した上で品質向上が図られるようなコーヒー農家への技術指導に加え、バイヤーへ直接出荷を含む、バリューチェーンの構築等。
市場規模 日本、オーストラリア、東南アジア、米国、欧州
関連する公的機関 Ministry of Agriculture and Livestock (農業・畜産省)、Guadalcanal
Provincial Office(ガダルカナル州政府)、Solomon Islands
Chamber of Commerce and Industry (商工会議所)
関連するJICAの方針 ソロモン諸島では2017年9月からソロモン国における持続的森林資源管理能力強化プロジェクトを実施している。
関連するODAプログラム・プロジェクト ・ソロモン諸島における持続的森林資源管理能力強化プロジェクト
・ソロモン諸島国コミュニティ主体の沿岸資源管理・利用による生計向上のためのアドバイザー派遣
留意点
リスク
備考 PNG では本邦企業がコーヒーバリューチェーン開発に力を入れており同様案件として参照できる。ソロモン諸島にはコーヒー仲買人が存在しないことから、コーヒーの品質向上に留まらず、輸出までの流通経路を確立することがより望ましい。
現行のコーヒー生産農家を活動対象とする限りにおいて、メラネシア特有の土地問題が発生する可能性は極めて低い。同国森林・研究省では標高400m 以上を禁伐地域に定め、コーヒーを含む高地で生育している森林の保全に努めている。ソロモン国内のコーヒー消費は非常に少なく、自国産コーヒーの消費は皆無である。
参考動画

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