対象分野 | 農業 |
対象分野詳細 | 稲作・その他穀物、根茎作物、園芸作物(野菜、果樹、花卉)、工芸作物、農業機械(灌漑用ポンプ、ドローン等含む)、加工・流通・輸出振興、農村インフラ整備、水産、畜産・家畜衛生、農村生活改善(健康食品等による栄養改善含む)、サービス(普及・研究・金融・生産資材) |
SDGsゴール |
1. 貧困をなくそう 8. 働きがいも経済成長も 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう |
対象国 | ベトナム |
対象地域(州・県名) | ベトナム全土。中でも、農業においては、日越農業協力中長期ビジョンにおけるモデル地域(ラムドン省、ゲアン省、カントー市、ベンチェ省を含むメコンデルタ地域、ハノイ市及びホーチミン市等の大都市近郊)ならびにその周辺省・市、ソンラ省、ハザン省等を含む北部山岳地域各省等を想定。水産業においては、カインホア省、フーエン省、ビンディン省、キエンザン省等を想定している。 |
対象国・地域の現状 | ベトナムは、農水産業の付加価値を高め、国際競争力を持たせ、同分野を主力産業の1つに発展させる意向を有しており、2014年の新年首相所信表明では、「農水産業の付加価値向上と新農村建設を関連付けた持続可能な開発に向けて構造再編に取組む」旨述べられる等、農水産業開発の重要性が示されている。加えて、ベトナム政府は2030年までに農業先進国として上位15 カ国入り、農業加工国として上位10 カ国入りを目標に掲げている |
解決すべき課題 |
農業においては農薬や化学肥料の過剰投与に伴う農産物の安全性確保と生産コスト増加が問題となっており、市場の要求に対応できていない農産物の品質や流通過程での品質劣化及び価格低下等のため、農産物の生産が農家の生計向上に結び付いていない。加えて、各地域には特産品があるものの、栽培技術や加工技術の未成熟・ローテク、商品化・ブランド化戦略の欠如、ポスト・ハーベスト・センターの未発達等、食品生産・加工・流通までのフードバリューチェーンが整備されておらず、さらにアグリツーリズム等関連産業の育成も不十分で、大きな課題となっている。 例えば、ゲアン省のオレンジ、ピーナッツ、ライチャウ省の薬草、ドンタップ省のマンゴー等、少数民族の伝統産品を含めた各地特産品については、加工技術が未成熟なため商品化、販路拡大に至っていない。また、ラムドン省の野菜、花卉、コーヒー、イチゴ、ワイン等は、栽培技術・加工技術は一定水準にあるもののブランド化戦略が乏しいため、 特に輸出市場での認知度は依然として低い。 水産業においては、乱獲などによる水産資源の枯渇を防ぎ、付加価値を向上させるための漁法、ポスト・ハーベスト、冷蔵・冷凍方法、流通手段等の改善が求められている。 畜産業においては畜産技術の不足、加工処理技術の未発展、流通体制の脆弱性、アフリカ豚コレラなどの感染症対策が求められている。 メコンデルタ地域沿岸では近年の海面上昇等に伴い、乾季を中心に塩水遡上が恒常的に発生。干ばつとあいまって、乾季の淡水確保の課題に直面している。 |
活用が想定される製品・技術・ノウハウ |
【農業】 ・適切な栽培技術 ・高付加価値化に繋がる栽培技術と製品 ・高付加価値化に繋がる加工技術と製品 ・高度なポスト・ハーベスト技術と製品 ・ベトナムで持続可能なコールドチェーンシステム ・トレーサビリティの向上と物流改善技術と製品 ・ハイテクまたはスマート農業関連製品(節水型農業技術、ドローンや衛星データ等利用技術含む) ・ベトナムで実施可能な品質保証制度技術と製品 ・持続可能なアグリツーリズムのノウハウ ・農産物の品質保持・鮮度保持の改善技術の導入を含んだ、生産者〜消費者までの一括した流通事業化に関するノウハウ 【水産】 ・高度な漁法および漁具 ・高度なポスト・ハーベスト ・高度な冷蔵・冷凍方法 ・高度な流通手段 【畜産】 ・高付加価値化に繋がる畜産技術および製品 ・高付加価値化に繋がる畜産加工技術と製品 ・高度な冷蔵・冷凍方法 ・高度な流通手段 【その他】 ・金融アクセス改善にかかる製品・技術・ノウハウ |
市場規模 | |
関連する公的機関 | 農業・農村開発省(MARD)、計画・投資省(MPI)、文化・スポーツ・観光省(MOCST)、各省人民委員会(PPC) |
関連するJICAの方針 |
日越農業協力中長期ビジョン及び日越農業協力対話を踏まえ、ベトナム政府の高付加価値化の方針に合わせた支援を中心とする。その際、民間企業の活動促進にも配慮する。 (対ベトナム国別開発協力方針‐成長と競争力強化) |
関連するODAプログラム・プロジェクト |
北部地域における安全作物の信頼性向上プロジェクト(技プロ) 農水産食品の安全性確保のための検査強化プロジェクト(無償) 持続的自然資源管理プロジェクト(技プロ) ゲアン省農業振興開発計画策定支援プロジェクト(技プロ) ゲアン省北部灌漑システム改善事業(円借款) ダナン市における水産物バリューチェーンモデル構築プロジェクト(草の根) ラムドン省農業インフラ整備事業(円借款) ベンチェ省水管理事業(円借款) カントー大学強化附帯プロジェクト(技プロ) 農業農村政策アドバイザー(個別専門家) ゲアン省農業セクターのフードバリューチェーン開発アドバイザー(個別専門家)等 |
留意点 |
・生産・加工・流通までのフードバリューチェーンの観点から、持続可能な農業を検討する必要がある。 ・ベトナム企業や外国企業による類似品の市場流通、技術の普及状況を確認する必要がある。 ・農地利用に際して、権利関係と土壌や水質の安全性を確認する必要がある。 |
リスク | ・品種登録や製品認可の手続きが煩雑で時間を要する可能性がある。 |
備考 |
日本政府とベトナム政府は日越農業協力対話を実施し日越農業協力中長期ビジョン(2020-2024)を策定。 https://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokkyo/vietnam/vietnam2.html |
参考動画 | [VR360度] ベトナムの農業における栽培・生産技術向上による産業発展の可能性(2分00秒) |
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