民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 03-463-0066)

対象分野 廃棄物管理
対象分野詳細 収集・運搬、中間処理(3R、焼却、コンポスト化、分別等を含む)、最終処分場管理等
SDGsゴール 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
11. 住み続けられるまちづくりを
13. 気候変動に具体的な対策を
対象国 エジプト
対象地域(州・県名) カイロ以北のデルタ地域(カイロ以南では米栽培が禁止されているため)
対象国・地域の現状 エジプト北部のナイルデルタは豊かな穀倉地帯で、特に稲作が盛ん。約100年前にエジプトに導入された日本米がエジプト人の嗜好に合ったことから、栽培も水田方式で行われている。肥沃な土壌と豊かなナイル川の水、併せて十分な日照量があることから世界最大規模の単収(約10トン/ha)を誇り、生産量も穀物の中で2番目で、米の自給率はほぼ100%である。
解決すべき課題 大きな収穫量に比例して収穫後に発生する農業廃棄物(籾殻、稲わら)の処理が課題となっている。一部は家畜の飼料として利用されている他、エジプトで一般的な建設資材である素焼きレンガのための燃料にも使われているが、それでも廃棄量が利用量を上回り、農家は多くを田で焼却処理している。しかし、栽培地区がデルタ地域に集中しており、収穫期に一斉に農民が焼却するため、産地の上空は排煙で黒い層が形成されるほどで、この大気汚染が健康被害にも繋がっているとされている。そのため、政府は籾殻や稲わらの焼却処分を禁止しているが、実態としては夜中に焼却する農家が後を絶たない。このため、環境や健康に配慮する形での籾殻と稲わらの適切な処理、可能であれば二次利用して農民の所得に繋がるような技術が求められている。
活用が想定される製品・技術・ノウハウ 稲収穫後の農業廃棄物(稲わら、籾)の二次利用
市場規模
関連する公的機関 農業・土地開拓省、農業研究センター
関連するJICAの方針 基礎的社会サービス向上支援プログラム
関連するODAプログラム・プロジェクト 第三国研修「稲作技術」、技術協力プロジェクト「米作機械化プロジェクト」、無償資金協力「米作機械化センター」及び「精米技術訓練センター」
留意点 稲作における有機廃棄物はこれまで経済価値がほとんど無かったが、適切な利用方法を提案することで、新しい産業として一定規模の雇用(収集、作成、販売、等)を生むことも期待される。
リスク
備考 現在エジプト政府は一時利用プラスチックバッグ(食品スーパーなどで利用されるプラスチックバッグ)の規制を検討しており、併せて代替素材も検討している。環境負荷、生産コスト、原材料等を考慮し、稲わらを原料とした紙も候補となっている。
参考動画

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