民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 04-024-0079)

対象分野 水の浄化・水処理
対象分野詳細 水供給・上水道(水源開発、浄水処理、無収水対策、配水管理、水質検査、顧客管理等)
SDGsゴール 3. すべての人に健康と福祉を
6. 安全な水とトイレを世界中に
11. 住み続けられるまちづくりを
対象国 ラオス
対象地域(州・県名) ラオス全国
対象国・地域の現状 ラオス政府は、1999年に発令された首相令37において、2020年までに都市部に居住する人口の8割に対して24時間安全な水を供給することを目標に掲げている。また、「第8次国家社会経済開発5カ年計画(NSEDP)(2016 -2020)」に基づく上下水道分野の戦略においては 、全国水道普及率を2020年までに全人口の9割とすることを目指している。さらに、持続可能な開発目標(SDGs)ターゲット6.1では、「2030年までに、安全で入手可能な価格の飲料水に対する全ての人々の公平なアクセスを達成する」とされているが、ラオスにおいて、2018年の都市における水道普及率は72%に留まっている。
解決すべき課題 ラオスの水道事業は公共事業運輸省(MPWT)水道局(DWS)が上水道事業の運営管理責任を担っているものの、上述の首相令により事業運営が都県に全て移管されたため、全国に18存在する都県の水道公社にその経営が委ねられている。しかしながら、整備される水道施設の多くは国際ドナーによるものが多く、導入される技術はドナーの意向や限られた選択肢の中から選ばれ、効率的な浄水、配水、無収水管理等の各種技術は活用されておらず、経営改善に結び付く技術が求められている。また、水質管理においても課題が見られる。水質基準は保健省による法規制整備がされているものの、検査されないままの水質検査項目も散見される。これらは、比較的安価で安定した品質の検査機器の未導入、故障時の修理や試薬の継続的な供給にかかる基盤の未整備等に起因する。また、不適切な配水管理や不十分な管路のメンテナンスも給水水質の悪さの原因となっている。
活用が想定される製品・技術・ノウハウ 水道技術全般、水質検査機器
※ラオス政府の財政状況から、日本の行政サービスをそのまま適応されるビジネスモデルは実現可能性が低いため、行政および水道公社の支出削減等に繋がる、革新的な技術や製品の提案が求められている。
※実施中の技術協力プロジェクト「水道公社事業管理能力向上プロジェクト(MaWaSU2)」(2018/5-2023/5)において、法令で定められている水質23項目の検査機器を全国18都県の水道公社への供与及び技術移転が決定しており、当機材との機能の重複がないよう調整が必要。
市場規模
関連する公的機関 公共事業運輸省水道局(MPWT,DWS)、各都県公共事業運輸局(DPWT) 、各都県水道公社(NP)
関連するJICAの方針 「対ラオス人民民主共和国国別開発協力方針」(2019年4月)における重点分野「経済・社会インフラ整備」および開発課題「環境と調和した快適な社会の実現」
「日本・ラオス開発協力協同計画(2016年9月)」の「環境・文化保全に配慮した均衡のとれた都市・地方開発を通じた格差是正」
関連するODAプログラム・プロジェクト 技術協力プロジェクト「水道公社事業管理能力向上プロジェクト(MaWaSU2)」(実施中)
基礎情報収集・確認調査「ラオス上水道セクター情報収集・確認調査」(終了)
有償資金協力「首都ビエンチャン上水道拡張計画(LS-P9)」(実施中)
無償資金協力「タケク上水道拡張計画」(終了)
無償資金協力「ルアンパバーン市県上水道拡張計画」(実施中)
中小企業・SDGsビジネス支援事業(旧:中小企業海外展開支援事業)「スモール・タウン水道事業向け高濁度原水対応型浄水装置の普及・実証事業」(終了)
中小企業・SDGsビジネス支援事業「既存浄水場へ簡単に設置できる水道水質向上方法に関する案件化調査」(実施中)
草の根技術協力「水道公社における浄水場運転・維持管理能力向上支援事業」(埼玉県)(終了)
草の根技術協力「上水道配給水管維持管理技術向上」(さいたま市)(実施中)
草の根技術協力「タイ・ラオス水道事業人材育成事業」(埼玉県)(実施中)
留意点 (1)ラオス政府の財政不足により、地方自治体及び水道公社も財務状況は厳しい状況。ラオス政府を顧客/ビジネスパートナーと想定としたビジネスモデルは、政府による予算措置が困難になる可能性が高いため、官需だけでなく民需も合わせたビジネス展開計画の検討が必須となる。(ただし、新規の行政サービスではなく、既に存在する装置やサービスの代替提案の場合は可能性あり。)
(2)ラオスでは法制度の整備(許認可制度の不備、行政・事業体の役割分担の明確化等)が遅れており、ビジネス展開に影響を与える可能性がある。
リスク
備考 飲料水は民間の浄水事業者による20リットルのタンクが約50円で販売されており、水道水は生活用水として主に利用されている。
参考動画

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