対象分野 | 農業 |
対象分野詳細 | 水産 |
SDGsゴール |
3. すべての人に健康と福祉を 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう 14. 海の豊かさを守ろう |
対象国 | エジプト |
対象地域(州・県名) | 特に養殖場の多いカフルエルシェイク県、ファイユーム県 |
対象国・地域の現状 | 人口増加や途上国の経済成長に伴い、世界的にたんぱく源としての水産物の需要量は益々高まっている。しかし水産資源量の低下に伴い漁獲量は近年減少傾向にあり、それを補完するべく養殖量は右肩上がりで伸びている。現在はちょうど漁獲量と養殖量がほぼ同じ水準となったが、水産物の需要は引き続き高まると予想されることから、近い将来に両者の比率は逆転することが確実であり、今後益々養殖の重要性は高まると予想される。エジプトはアフリカ大陸で第1位、全世界でも第6位の養殖生産量を誇っており、市場でも養殖魚が大量に出回る、養殖業のポテンシャルが高い。 |
解決すべき課題 |
エジプトで主に養殖されているのは、淡水魚のナイルティラピアである。ティラピアは環境耐性が高く、養殖池等を使い、必要最低限の施設で養殖可能であることから経験のない企業でも参入しやすく、小規模生産者が圧倒的に多い。彼らの既存の施設は比較的原始的であり、生産効率が上がる安価な養殖システムが提案・普及されると、よりエジプトの養殖量が増えると見込まれる。 一方で、エジプトにおける養殖の約70%がティラピアであるため、モノカルチャーが価格低下の原因となっている。栄養改善の観点からは、価格の低下は望ましいが、上述のとおり小規模生産者が多いため、これは彼らの経営を苦しくする側面もある。そのため、単に生産量を増やすだけではなく、加工による付加価値化や、流通の改善による売り先の拡大等、バリューチェーンの改善も求められる。 |
活用が想定される製品・技術・ノウハウ | ティラピアを対象とした、加工による付加価値化、安価かつ養殖効率を上げるシステム、バリューチェーン改善 |
市場規模 | |
関連する公的機関 | 農業・土地開拓省、農業研究所 |
関連するJICAの方針 | 民間セクター開発支援プログラム |
関連するODAプログラム・プロジェクト | 第三国研修「養殖」 |
留意点 | エジプトにおける表流水はナイル川に限定され、生活圏・経済圏もほぼナイル川沿岸に限られる。一方で人口が増え続け、2020年初めには1億人の大台を突破していることから、食料増産も課題となっている。エジプト政府は、地下水を利用して内陸の土漠地帯でも農地開拓を進めており、このような水資源の限られる土地での養殖技術にも同時に関心が高い。 |
リスク | |
備考 | JICAは長年、国際機関「Worldfish」と協力しており、良好な関係を築いている。WorldFishはアフリカ大陸を対象とした「Fish for Africa Inovation Hub」というプログラムを実施し、養殖(主にティラピア)の技術開発と発信をもって、アフリカ大陸の栄養改善に寄与することを目的としている。関連する実証試験の実施においてWorldFishの施設を使うなど、協力を得られることが期待されると共に、WorldFishをハブに広くアフリカ大陸に成果を伝えることが可能。 |
参考動画 |
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