民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 03-224-0054)

対象分野 廃棄物管理
対象分野詳細 収集・運搬、中間処理(3R、焼却、コンポスト化、分別等を含む)、最終処分場管理等
SDGsゴール 3. すべての人に健康と福祉を
11. 住み続けられるまちづくりを
12. つくる責任 つかう責任
対象国 ドミニカ共和国
対象地域(州・県名) 全土
対象国・地域の現状 経済発展に伴う農村部から都市部への人口流入など急激な都市化により、廃棄物処理や水質汚染などの環境問題が深刻化している。人口1,000万人強の国で、1日当たりのゴミ排出量は先進国並みの約11,000トンに上る。また、観光が主要産業である当国には年間700万人を超える海外からの観光客が訪れ、ゴミ排出量の増加が促されている。2017年7月、政府は「清潔なドミニカ(DominicanaLimpia)」計画を発表し、廃棄物管理に関する啓発と最終処分場のリハビリ、自治体連合による最終処分場建設・運営に取り組んでいる。
解決すべき課題 全国的に最終処分場ではオープンダンピングが行われており、多雨による海岸へのゴミ流入を含めた環境問題、メタンガス発生・発火に起因する喘息等住民の健康被害などが指摘され、深刻化している。環境省とドミニカ自治体連盟が最終処分場の運営に関する実施責任を負っているが、最終処分場の新設やリハビリの適切な事例は極めて限られており、廃棄物の発生から最終処分までを適切に管理する体制(総合廃棄物管理)の構築には至っていない。
現在の環境省には、自治体に対して最終処分場の設置計画・設計・建設・運営を技術的に支援する十分な能力や経験が乏しく、ドナー頼りの状況が顕著でもある。他方、この分野での多数のJICA元研修員が試行錯誤の活動を重ねるなかで、公的機関及び民間企業におけるリサイクル活動も前向きな傾向が見られ、ペットボトルの回収なども行われてきた。さらに、環境省では廃タイヤのリサイクルにも関心を示しているが技術に基づいた計画策定が不十分であり、この点も課題となる。
活用が想定される製品・技術・ノウハウ 廃棄物処理技術、焼却処理、熱分解処理、水処理技術、リサイクル技術(特に廃タイヤ)、資源回収施設、堆肥化施設、海洋ゴミ(海洋プラスチック、海藻等)対策
※上述に限らず、関連するその他製品・技術についても幅広く検討可。
市場規模
関連する公的機関 環境省、地方自治体
関連するJICAの方針 廃棄物管理は重点分野「持続的な経済開発」における「環境保全・気候変動対策
プログラム」に属する。JICAは、全国の自治体の廃棄物処理を監督指導する環境省の制度・体制整備と、廃棄物処理を担う自治体の人材育成能力の強化や、環境教育を通じた全国民の環境保全への意識向上に係る支援に取り組む考え方を示している。
関連するODAプログラム・プロジェクト 「全国総合廃棄物管理制度・能力強化プロジェクトフェーズ2」(2020年4月‐2023年3月)
「全国廃棄物管理制度・能力強化プロジェクト」(2014年1月−2017年5月)
「ドミニカ共和国・首都圏の廃棄物処理に係る組織再編及びマスタープラン改定支援」米州開発銀行日本信託基金(2018年〜)
本邦研修(廃棄物管理関連分野、約60名)
留意点 現在は最終処分場でオープンダンピングが行われているが、環境省として将来、焼却処理への移行にも関心がある。
リスク
備考 周辺のカリブ諸国も同様の課題を有しているため、ドミニカ共和国のみならずカリブ域内を見据えた活動を検討可能
参考動画

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