民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 07-018-0137)

対象分野 農業
対象分野詳細 農業機械(灌漑用ポンプ、ドローン等含む)
SDGsゴール 8. 働きがいも経済成長も
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
13. 気候変動に具体的な対策を
対象国 タイ
対象地域(州・県名) タイ国全域(特に東北部及びEECエリア)
対象国・地域の現状 タイにおいては、中進国の罠から脱却を図るべく、IT技術等を活用した生産性向上、高付加価値化を目標とした国家ビジョン「Thailand4.0」を定め、この中で、農業、食品、バイオテクノロジー等が重点産業分野に位置づけられている。本ビジョンに従い、タイ農業協同組合省では、生産性向上、高付加価値化等を自身の中長期政策に盛り込み、対策が進められているところ。
解決すべき課題 農水産物の輸出国であるタイでは、現状、コメ、サトウキビ、キャッサバ、天然ゴム等の土地利用型作物に加え、エビ等を始めとする水産物及び畜産物が主要輸出品目に位置づけられるものの、引き続き、農林水産業を主要産業として位置付けたいとの意向を持ち、このために生産性向上(生産費低減、生産量の増加等)、新たな付加価値化(農産物加工の高付加価値化)等の課題を重点課題に位置付けている。一方で、高齢化の進展やCOVID−19による周辺国労働者の入国規制等に伴い、農村地域においても労働力不足が顕在化しており、サトウキビ生産においては労働力不足から焼き畑による収穫を選択する生産者が増えたことで大気汚染悪化の原因となるなど、複合的な課題が生じている。また、COVID−19により人や物の移動が制限され、非接触型社会へと変化していくことが必至である昨今の状況において、農業分野におけるサプライチェーンもICT技術等の活用によりその変化に対応していく必要がある。
活用が想定される製品・技術・ノウハウ ・ICTやロボット技術等の先進技術を活用したスマート農業による生産性向上及び非接触型社会に対応したサプライチェーンの構築
農業経営効率化アプリケーション/ 農業用ドローン/ 成育診断システム/各種センサを活用した遠隔での生産管理システムなど
・労働力不足解消に資する安価な収穫機等の普及
・新たな仕向け先を含む高付加価値な加工技術や物流技術、新規作物の導入
6次産業ノウハウ/ 低温輸送技術など
市場規模 市場規模は不明であるものの、タイ農業・協同組合省では、ICT技術等を活用したスマート農業の実現に向けた政策の推進に取り組んでおり、本分野に対する本邦技術の導入への関心が高いものと判断する。
関連する公的機関 農業・協同組合省(MOAC)、デジタル経済社会省(MDES)、大学等学術機関
関連するJICAの方針 ・外務省 国別開発協力方針(旧国別援助方針)・事業展開計画(タイ)環境・気候変動対策(小目標)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/kuni_enjyo_kakkoku.html
関連するODAプログラム・プロジェクト 実施中のプロジェクトとして、SATREPS「世界戦略魚の作出を目指したタイ原産魚介類の家魚化と養漁法の構築」、「ベトナム・カンボジア・タイにおける戦略作物キャッサバ侵入病害虫対策に基づく持続的生産システムの開発と普及プロジェクト」が挙げられる。
留意点 特になし。
リスク 特になし。
備考 タイ農業協同組合省の組織構成としては、コメ、園芸作物、畜産物、水産物といった品目毎の部局と、技術普及を所管とする部局等が設置されていることから、導入技術の内容に応じ、相談するカウンターパートの選定を行うことが有用。
参考動画

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