民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 07-548-0197)

対象分野 農業
対象分野詳細 サービス(普及・研究・金融・生産資材)
SDGsゴール 1. 貧困をなくそう
2. 飢餓をゼロに
8. 働きがいも経済成長も
対象国 タンザニア
対象地域(州・県名) 全国
対象国・地域の現状 タンザニアでは、農業セクターは当国名目GDPの約3割、当国全体の雇用の約7割を占める重要セクターであり、農業セクターの生産性向上や商業化は当国において最重要な政策課題の一つとなっている。タンザニア政府が策定した農業セクター開発プログラムフェーズ2(Agricultural Sector Development Programme Phase 2: ASDP2)(2016年)では、農村部の金融アクセス拡大により、農業の商業化や農業セクター向け民間投資の促進、バリューチェーンへの農家のアクセスを広げることを目標の一つとしている。
 一方、民間商業銀行は、高い不良債権比率等を背景に、相対的に信用リスクが低い大企業向け融資が中心となる傾向があり、信用リスクが高くなる零細向け金利は20%以上に設定されることが多い。また、そもそも農村部の小・中規模農家は銀行口座等を有していないことが多く(2016年時点で成人人口の8%が銀行口座を保有、一方でモバイルマネーへのアクセスは61%とする民間調査あり)、融資にあたって求められる担保となる資産も保有していないことが多い。マイクロファイナンス業も多数展開されているものの、キャパシティとリソースの制約によりこれら農家へのアクセスは不十分であると言われており、金額上の制約から一定規模以上の資機材購入等を目的とした借入れには適さない。
 かかる状況下、小・中規模農家の金融サービスへのアクセスは限られ、投入財の購入、農機の購入、小規模な灌漑施設の整備・補修に係る費用捻出が困難であることから、生産性向上、生計向上の大きな足枷となっている。
解決すべき課題 小・中規模農家等を中心とする農村部住民の金融包摂
活用が想定される製品・技術・ノウハウ アイデアとしては以下のとおりであるが、これに限定するものではない。
・銀行口座や担保となる資産を保有していない農民等に対する、モバイルマネー(M-Pesa等)の取引情報及びAI等を活用した信用スコアリングサービス
・スマートフォンアプリ等のデジタル技術を活用したマイクロファイナンスサービスの拡大
・その他、担保要求を軽減させるようなサービスやビジネスモデル
市場規模 モバイルマネーと連動したサービスの場合、同様にモバイルマネーが普及しているアフリカ諸国や、近年普及が見られる東南アジア諸国等における水平展開の可能性が考えられる。
関連する公的機関 農業省(Ministry of Agriculture: MoA)
タンザニア農業開発銀行(Tanzania Agricultural Development Bank: TADB)
財務計画省(Ministry of Finance and Planning: MoFP)
関連するJICAの方針 対タンザニア連合共和国国別開発協力方針(2017年9月)
重点分野1 経済成長のけん引セクターの育成
開発課題1-1 農業開発
関連するODAプログラム・プロジェクト 技術協力「SHEPアプローチを活用した県農業開発計画実施能力強化プロジェクト(TANSHEP)」
留意点 フィンテックは関連する法規制が多く、事業内容によってはタンザニア中央銀行の許認可が必要となるため、事前に法規制・許認可制度の確認が必要。
リスク 本分野に係る技術やサービスは、地場企業や他国企業を含むベンチャーやスタートアップが急速な開発・普及を展開する可能性があると想像され、競合リスクがある点(逆に、こうした優良地場企業との連携も考えられる)。
備考 地場企業との連携が重要であると考えられる。
参考動画

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