民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 07-051-0151)

対象分野 農業
対象分野詳細 加工・流通・輸出振興
SDGsゴール 1. 貧困をなくそう
2. 飢餓をゼロに
8. 働きがいも経済成長も
対象国 バングラデシュ
対象地域(州・県名)
対象国・地域の現状 順調な経済成長や都市化、農林水産業から他セクターへの労働人口の移行が進んでいるものの、農村部には総人口の70%が住み、全国の労働人口の47.5%は農林水産業に従事している。また、貧困率は24.3%(2016年)まで改善する一方、その85%が農村部に住んでおり、農業・農村開発による貧困削減や格差是正が課題となっている。主要作物(米)は、ほぼ自給を達成したが、農家・土地の減少や人口増加に伴う需要増、気候変動の中で、バングラデシュ政府が掲げる食料安全保障の確保には、今後も限られた可耕地の生産性の向上や確保が強く求められている。
他方で、経済成長に伴った所得水準の向上により、高付加価値な農産物への需要も高まっており、生産、流通、加工、販売までのバリューチェーン強化が必要となっている。具体的な分野はトマト・フルーツ等の園芸作物、コメ、イモ類、畜産品(乳含む)、水産品等。また、農薬の過剰使用、不適切な農産物の取り扱い、製造過程における汚染等による食の安全性や衛生面への懸念も指摘されている。 農村部での道路整備率は低く、農作物のマーケットへのアクセス向上の妨げとなっている。また営農能力の不足による過剰生産やコールドストレージの不足などにより廃棄量も多く農家の収入向上を妨げている。農業生産者の多くは小規模農家であり、農業投入資機材を導入するための資金力に乏しい。このような事情から、新規作物栽培、高収量品種の導入、農業機材導入等の手立ても容易でなく、可耕地の生産性や多様性の向上に十分対応できていない。また、乳製品やタマゴの価格が高く、食品の多様性が低いなど、栄養価の高い食へのアクセスが限定的である。
解決すべき課題 上に同じ
活用が想定される製品・技術・ノウハウ 農産物の高付加価値化(トマト・フルーツ等の園芸作物、コメ、イモ類、畜産品(乳含む)、水産品など)及び高付加価値化を通じた住民の所得向上、高収量品種化、生産性及び加工・販売を含む食の安全性の向上、農業資機材、効率的かつIT技術を使った進歩的な農業金融、栄養改善、またバリューチェーン改善に資する技術などの領域における取組みが期待されている。
高付加価値の農産物については、日本でも先進的な農業法人が導入しているIT栽培管理技術の導入も期待される。
市場規模 人口1.6億人。パック食品(加工済み野菜・果物、スープ、パン等)の市場規模は2018年時点で5,182million USD, 2023年には7,322 million USDになるとの推計(Euromonitor)。
関連する公的機関 農業省(Ministry of Agriculture)・・農業生産、農産物の安全
食糧省(Ministry of Food)・・コメ等穀物の生産・保管・食糧自給
食品安全庁(Bangladesh Food Safety Authority)・・生産、加工、販売、輸出入含む食品全般の安全
漁業畜産省(Ministry of Fisheries and Livestock)・・水産、畜産生産及び加工
産業省(Ministry of Industry) ・・食品加工業
地方行政技術局(Local Government Engineering Department)・・農村インフラ
マイクロクレジット規制局(Microcredit Regulatory Authority)、中央銀行、その他政府系・商業銀行等・・農業金融、アグリビジネス企業等への融資
関連するJICAの方針 国別開発協力方針・事業展開計画参照
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/kuni_enjyo_kakkoku.html
関連するODAプログラム・プロジェクト 【円借款】
・北部総合開発事業
・小規模農家生産性向上・多様化振興融資事業
・小規模水資源開発事業(フェーズ2)
・フードバリューチェーン改善事業   
【技術協力プロジェクト】       
・バングラデシュ食品安全庁査察。規制・調整機能強化プロジェクト   
・マルチステークホルダー連携による小規模園芸農家のための市場志向型農業振興プロジェクト
・ベンガル湾沿岸地域漁村振興プロジェクト、他
留意点
リスク
備考
参考動画

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