対象分野 | 教育 |
対象分野詳細 | 初等教育 |
SDGsゴール | 4. 質の高い教育をみんなに |
対象国 | ルワンダ |
対象地域(州・県名) | |
対象国・地域の現状 |
ルワンダは、2006年「9年制基礎教育政策」における教育無償化により、初等教育の総・純就学率が大きく改善し、2019年時点でそれぞれ138.8%と98.5%となっている。※なお、2012年に基礎教育制度は9年間から12年間へと再度延長された。 一方で、総就学率138.8%と公式学齢外の児童の入学が多い状況にある。また、留年率は改善されつつあるものの(2012年12.7%⇒2016年18.4%⇒2019年13.4%)、小学校1年生(P1)で15%(2019)と他の学年と比較して高水準。一因として、就学前教育不足や初期段階における識字と計算の強固な基礎の欠如が挙げられる。小学校中退率は上昇(2016年5.6%⇒2019年7.8%)している。 小学校教師の98.7%(2019)が有資格教師(高校レベルの教員養成校を卒業すれば、小学校教師の資格を得られる)。生徒と有資格教師の割合は58:1で2019年の目標57:1は未達成。1教室あたりの平均生徒数は73(公立は82、民間は32, 2019年)であるが、小学校1年〜3年までは2シフト制を採用しているため、1クラスの平均生徒数は44人。 小学校4年から英語での授業となるが、教師も生徒も英語能力が不十分であり、生徒の学習に大きな影響を及ぼしている。また、同学年から全日制となるが、コマ数自体は増えず、空きコマが生じている。 STEM及びICT教育は政府の主要課題であるが、各教育機関において適切な資格を持つ教師、実験機材が不足。カリキュラムに沿ったデジタルコンテンツの普及を目指す一方、電化やインターネット接続率の課題もある。 ルワンダ政府は、新型コロナウィルス感染者が確認された2020年3月中旬以降、感染拡大防止のため学校を閉鎖していたが、学校の衛生環境を整備した上で、2020年11月以降、小学校については高学年から順次再開している。このような状況下、ルワンダ政府は、教育継続性確保のため、E-learning Platform(YouTubeチャンネル等)を強化しつつ、ラジオやテレビで授業放映を行っている。 |
解決すべき課題 |
・就業前教育を受ける子供が少なく(総就学率29.8%、純就学率が24.6%(2019))初等教育に入る準備ができていない。都市部と地方部の児童の就学状況に格差がある。 ・初等教育初期段階における識字と計算の基礎が不十分。都市部と地方部の児童の学習状況に格差がある。 ・教師の科目理解不足、教授能力不足、英語能力不足により、カリキュラムにそった授業が提供できていない。 ・カリキュラム自体が詰め込み式である上に不適切(小学校1年生からマイナスの計算を学んだり、本格的に英語を学び始める3年生の教科書で、文章ばかりが並んでいるなど時期尚早な学習内容が含まれ、段階を踏んだ学習内容となっていない)。 ・教科書はあるが、教師や一部の裕福な生徒しか持っていない。 ・ICT教育を推進し、One Laptop Per Child(OLPC) 政策等により、パソコンやスマートクラスルームなどハード面の整備は徐々に進んでいるものの、教育方法や学習内容等のソフト面が整備されていない。教師もICT知識・スキルが不足しており、教えることができない。 ・新型コロナの影響で、ルワンダ政府はE-learning Platformやラジオ・テレビでの授業を提供しているものの、デバイスを持っていない等の要因により、それらの授業にアクセスできない生徒が多く存在している。また、こうした状況を踏まえた学習支援・モニタリングやフォローアップ体制の欠如から学習の遅れが生じている。今後は、新型コロナ対応として、教室での授業とリモート学習を組み合わせていく必要があるが、前述の通りリモート学習に係る体制が整備されていない状況にある。 ・学校再開に向けた、学校の衛生環境と生徒の健康管理体制が十分に整備されていない。 |
活用が想定される製品・技術・ノウハウ |
■学習の質の向上 ・就業前教育を推進する技術・ノウハウ・仕組み ・初等教育初期段階における識字と計算能力を強化する技術・ノウハウ・仕組み ・生徒の学習理解を促進する補助教材 ・学校外での学習を促進する技術・ノウハウ・仕組み ・リモート学習を支援するためのデジタル/ICT等の技術・製品・ノウハウ・仕組み(安価なデジタルデバイスも含む) ■教育の質の向上 ・教師の質に大きく依存せずに質のある授業を提供できる技術・ノウハウ・仕組み ・教師の教授法や授業の準備を支援する製品・技術・ノウハウ ・生徒の理解度に応じた学習を促進し、エビデンスを踏まえカリキュラムも改良していく技術・ノウハウ・仕組み ・各学校のインフラ整備(電力・インターネット)状況を踏まえた、ICT教育を推進する技術・ノウハウ・仕組み(教師のICT能力強化を含む) ・理科系科目について、実験器具や材料が揃わなくても実験を体験できる製品・技術・ノウハウ ・教師のデジタルリテラシーを向上させる技術・製品・ノウハウ・仕組み ・教師による生徒のリモート学習支援・モニタリング・フォローを行うデジタル/ICT等の技術・ノウハウ・仕組み ■学校の衛生環境の整備 ・水衛生設備:水不足の中でも使用可能であり、より衛生的かつ安価で節水型の簡易手洗い器 ・手指消毒材:アルコール消毒剤、微酸性電解水生成装置など |
市場規模 |
・就業前教育機関 3,401(内、民間 1,338)及びその生徒数 282,428 [2019] ・初等教育機関 2,961 (うち、民間 415)及びその生徒数 2,512,465 [2019] |
関連する公的機関 |
・ルワンダ教育省(MINEDUC) ・ルワンダ教育委員会(REB) ・郡教育事務所(DEO) |
関連するJICAの方針 | 基礎教育分野では、理数科科目を中心に、ICTを活用した授業及び学びの質の改善に係る支援を実施し、科学技術人材育成政策を後押しする。 |
関連するODAプログラム・プロジェクト |
科学技術教育・訓練プログラム ・学校ベースの現職教員研修の制度化・質の改善支援プロジェクト ・初等算数教育へのICT活用による教育の質向上を目的とした普及・実証事業 |
留意点 | |
リスク | |
備考 | |
参考動画 |
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