対象分野 | 廃棄物管理 |
対象分野詳細 | 収集・運搬、中間処理(3R、焼却、コンポスト化、分別等を含む)、最終処分場管理等 |
SDGsゴール |
11. 住み続けられるまちづくりを 12. つくる責任 つかう責任 13. 気候変動に具体的な対策を |
対象国 | パレスチナ |
対象地域(州・県名) | |
対象国・地域の現状 |
パレスチナ自治区は、国家開発計画アジェンダにおいて、広域行政カウンシル(複数の小規模自治体が行政サービスの効率的提供のため結成した組織)や官民連携の推進を通じて民間部門の投資機会創出に繋げることで、廃棄物管理サービスを改善していくことを目指している。 同自治区の廃棄物発生量は、西岸では2,622トン/日、一人あたり0.91kg/日、ガザでは1,330トン/日、一人あたり0.7kg/日と推計される。排出された廃棄物の65−70%は管理埋立地にて処分、残りは違法投棄され、資源として再利用されるのは全体の1%程度とみられている。他方、管理埋立地の供用期間には限界がある。イスラエルの占領という特異な状況下、土地へのアクセス・利用の制約及び入植地の拡大の影響を受け、新規埋立地の建設は困難である。持続的な廃棄物管理の実現にあたっては、廃棄物の発生量及び埋立処分量の減量化が課題である。埋立処分量の削減のためには廃棄物のうち再利用、再資源化が可能なものについて分別・選別を行い素材に応じた適正処理をする必要がある。 廃棄物のうち家庭から排出される一般廃棄物と並び建設・建物解体廃棄物及び石材廃棄物が大量にあり、都市近郊にしばしば不法投棄されている他、衛生埋立処分場に持ち込まれている。これらの処理が大きな課題として出てきておりJICA技術協力プロジェクト・フェーズ2では建設廃棄物条例案とガイドラインの策定に協力し、近く発布される見通しである。中間処理に関してはパレスチナ建設業協会と官民連携して複数箇所に破砕選別処理施設を誘致する計画である。 |
解決すべき課題 | 建設廃棄物・建物解体廃棄物及び石材廃棄物の破砕処理と再利用の促進。 |
活用が想定される製品・技術・ノウハウ | 建設廃棄物・建物解体廃棄物及び石材廃棄物の破砕処理と再利用。 |
市場規模 | 2017年試算では、西岸全域の投棄地に集積する建設廃棄物・建物解体廃棄物は、2300万〜2500万トンで、新規に排出される建設廃棄物は年間20万トン(2016年)。排出素材の内訳は、重量ベースでは、コンクリート、レンガ、石材が8割程度。排出量の多い地域は、ラマッラ、ナブラス、ベツレヘム、ヘブロンである。 |
関連する公的機関 |
パレスチナ地方自治庁、公共事業・住宅庁 その他 広域行政カウンシル、自治体が関連 |
関連するJICAの方針 | 日本はパレスチナ自治区において20年にわたり廃棄物管理分野を支援してきた。JICAのこれまでの支援では、廃棄物管理にあたる自治体や広域行政カウンシル、監督機関である地方自治庁の能力強化を実施してきた。2020年7月に開始した技術協力プロジェクトでは、廃棄物減量化に焦点をおき、中間処理の導入や3R(Reduce, Reuse, Recycle)の推進等による発生抑制及び埋立廃棄物の減量化に向けた関係者の能力強化・制度づくり支援及び試験的な技術の導入の支援を行うこととしている。 |
関連するODAプログラム・プロジェクト |
【パレスチナ自治区内】 ●技術協力プロジェクト「ジェリコ及びヨルダン渓谷における廃棄物管理能力向上プロジェクト」(2005−2010年) ●技術協力プロジェクト「パレスチナ廃棄物管理能力向上プロジェクト フェーズ2」(2015−2019年) ●JICA技術協力プロジェクト「廃棄物管理能力向上プロジェクト フェーズ3」(2020年-2023年) ●無償資金協力「パレスチナ廃棄物管理に関する収集及び運搬改善計画」(2019−2024年) 【他地域での関連案件】 ●ベトナム国「建設廃棄物の安全で効率的な分別・選別処理システムによる埋め立て処分量削減のための案件化調査」(2018−2019年) ●ベトナム国SATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力)「ベトナムにおける建設廃棄物の適正管理と建廃リサイクル資材を活用した環境浄化およびインフラ整備技術の開発」(2018−2022年) |
留意点 | 上述の条例が発布されれば、破砕選別施設建設のニーズが顕在化すると思われ、パレスチナ建設業協会では、適正な技術が見つかれば会員企業が投資を行う意向も出ている。 |
リスク | |
備考 | |
参考動画 |
このページは、当機構が契約するスパイラル株式会社の情報管理システム「スパイラル」が表示しています。 |