民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 10-245-0289)

対象分野 防災・災害対策
対象分野詳細 地象災害等(地震、津波、火山等)
SDGsゴール 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
11. 住み続けられるまちづくりを
対象国 メキシコ
対象地域(州・県名) メキシコ市、モレロス州、プエブラ州、メキシコ州、オアハカ州、チアパス州等全国各地
対象国・地域の現状 2017年9月19日にメキシコ中部に位置するプエブラ州で発生したメキシコ中部地震(M7.1)は、メキシコ市を中心に360名以上の犠牲者を出し、各種建築物にも大きな被害を与えた。また、1985年9月19日に発生し、メキシコシティで約1万人の死者を出したメキシコ地震(M8.0)をはじめ、2017年のチアパス地震(M8.2)など、対象地域及びその周辺ではM6以上の地震が数年置きに発生しており、大規模地震の発生リスクを常に抱えている。

2017年メキシコ中部地震の主要被害概要:
・メキシコ市:損壊建築物14,812、損壊学校762、損壊商業施設2,263、損壊病院143、損壊文化・歴史遺産建造物205
・モレロス州:全壊家屋6,104、損壊学校1,194、損壊商業施設5,141、損壊病院9、損壊文化・歴史遺産建造物28
・プエブラ州:全壊家屋5,638、損壊学校1,152、損壊病院8、損壊文化・歴史遺産建造物592
・メキシコ州:全壊家屋2,702、損壊学校217、損壊商業施設12、損壊病院35、損壊文化・歴史遺産建造物109
解決すべき課題 メキシコ国立防災センター(CENAPRED)が、2017年のメキシコ中部地震発生後、約300棟の建築物の被害状況を調査したところ、40数棟が倒壊または大破しており、倒壊した建築物のうち、80〜90%が1985年以前の建築物であったことがが判明した。このことから、1985年地震による視認できないダメージが蓄積されていた可能性も指摘される。また、メキシコシティはかつて湖であった場所の埋立地であるため、塩分や湿気によって構造物の劣化が進んでいることも想定される。加えて、高架道路や橋梁の検査についても、一般的には目視により実施されている。よって、建築物及び構造物の欠陥や劣化の把握につき、適切な方法による状況検査の実施が必要とされている。
活用が想定される製品・技術・ノウハウ ・非破壊検査技術
市場規模
関連する公的機関 上記の市及び州政府、保健省(Secretaría de Salud)、公共教育省(Secretaría de Educación Pública)、メキシコ国立防災センター(Centro Nacional de Prevención de Desastres) 等
関連するJICAの方針 対メキシコの開発協力方針に、「日系企業の進出は、互恵的な二国間経済関係を強化するとともに、メキシコ及び中南米地域全体の経済社会発展にも貢献するため、日系企業の海外展開につながる官民連携型の支援にも積極的に取り組む」と定められており、同方針と合致する。
関連するODAプログラム・プロジェクト ・民連「スマートフォンを活用した道路の路面性状(IRI等)の記録技術導入に係る案件化調査(2020〜2021年)」 
・技プロ「災害リスク管理ガバナンス能力強化プロジェクト(2020年度開始予定)」
留意点 カウンターパートを連邦政府機関とする場合、各種手続き・譲与に関する協議に多大な時間を要する傾向あり。各州政府、市政府、大学研究機関等をカウンターパートとすること、機材は譲与ではなく借料で対応することも要検討。
リスク
備考 メキシコにおける非破壊試験に係るニーズ詳細については、『質の高いインフラ導入に係る情報収集・確認調査(2018年)』を参照のこと。
https://openjicareport.jica.go.jp/614/614/614_600_12303186.html

 CENAPREDは、1985年のメキシコ地震を契機として、同国の防災能力向上のためにJICAがその設立に協力した機関であり、設立後も耐震プロジェクトなど様々な技術協力を実施してきた。
参考動画 [VR360度] メキシコ中部地震で大きな被害を受けた各種建築物の現状(2分26秒)

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