民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 03-018-0046)

対象分野 廃棄物管理
対象分野詳細 収集・運搬、中間処理(3R、焼却、コンポスト化、分別等を含む)、最終処分場管理等
SDGsゴール 11. 住み続けられるまちづくりを
12. つくる責任 つかう責任
14. 海の豊かさを守ろう
対象国 タイ
対象地域(州・県名) タイ国全域
対象国・地域の現状 使用済プラスチック製品の多くは回収後、リサイクル業者が買い取り再生しているが、不法投棄など適正に処理されなかったプラスチックは、河川等を通じて海洋へ流出し、海洋ゴミ(廃プラスチック、マイクロプラスチック等)となっている。
近年、海洋プラスチック汚染は、深刻な海洋環境問題として国際的枠組みでも注目されており、東南アジア全域から投棄される廃プラスチックは世界の全投棄量の約30%を占めると言われている。2019年6月にバンコクで開催されたASEAN首脳会議では、海洋ごみ対策に関連するバンコク宣言が採択され、ASEAN各国が連携して海洋プラごみ対策を行なう事で合意した。これにより、東南アジアにおいて廃プラの使用規制を含む海洋プラごみ対策が強化されつつあり、タイにおいてもその対策が加速している。
尚、タイでは2018年6月から廃プラの一部輸入禁止措置を開始した。また同月、2027年までに海洋に流出する廃プラの量を50%削減する事を目的として、タイ工業連盟、石油化学工業、大手流通業等プラスチック関連の主要企業がタイ政府機関と「持続可能なプラスチック・廃棄物管理の公民連携事業」に調印した。更にタイでは2021年には廃プラの輸入を全面禁止とする方針を打ち立て、2020年1月以降は主要小売業者43社に対してレジ袋配布禁止を努力義務として課し2021年の全面禁止に向けての試行期間とした。これを受け民間企業側においても、レジ袋配布を行なわないスーパーやコンビニエンスストアが増加しており、一般市民への生活にも影響を及ぼしている。
解決すべき課題 「6.対象国・地域の現状」に記載をしているとおり、タイ国内において廃プラ及び海洋プラごみへの様々な対策が行なわれているものの未だ開始をされたばかりであり、即効性があるものではない為、タイ国内の海洋プラスチック・廃棄物の解決すべき課題として下記の事項が挙げられる。

・タイにおいて適切に処理されていない廃プラが多いこと。
・廃プラが海洋流出する過程及び海洋での挙動等が明らかでないこと。
・不法投棄を減少させ、プラスチック等の廃棄物の海洋への流出を防止すること。
活用が想定される製品・技術・ノウハウ ●タイ湾の海洋漂流ゴミの挙動の把握に寄与する技術。
●海洋における廃プラスチックの効率的な探索・回収に寄与する技術。
●海洋に排出されるプラスチックの起源を把握することに役立つ技術。
●使用済み製品のリユースや廃プラスチック等のリサイクルなど、廃棄物の不法投棄や海洋流出防止に寄与する技術・ノウハウ。
市場規模 タイにおける廃プラスチック発生量は、2017年現在において総計約3,200千トンである。現在の発生量が継続された場合は、2030年において総計約4,750千トン、2050年において総計約5,820千トンとなる見込みである。
(出典:経済産業省・アジアにおける国際資源循環型リサイクル事業拡大に向けた調査報告書)
関連する公的機関 天然・資源環境省(MONRE)沿岸海岸資源局(DMCR)・公害管理局(PCD)、工業省(MOI)工業局(DIW)・基礎工業鉱業局(DPIM)
関連するJICAの方針 ・JICAの廃棄物管理分野の国際協力への取り組み
(廃棄物管理分野ポジションペーパー)
https://www.jica.go.jp/activities/issues/env_manage/ku57pq00002cu9rb-att/position_paper_solid_waste.pdf
・ゴール11の達成に向けたJICAの取り組み方針
https://www.jica.go.jp/activities/issues/urban/ku57pq00002cu424-att/sdgs_goal_11.pdf
・ゴール12の達成に向けたJICAの取り組み方針
https://www.jica.go.jp/activities/issues/env_manage/ku57pq00002cu9rb-att/sdgs_goal_12.pdf
・ゴール14の達成に向けたJICAの取り組み方針
https://www.jica.go.jp/activities/issues/fishery/ku57pq00002cuc56-att/sdgs_goal_14.pdf
(SDGsポジションペーパー)
関連するODAプログラム・プロジェクト ・東南アジア海域における海洋プラスチック汚染研究の拠点形成(SATREPS)
・全世界海洋プラスチックごみの実態把握および資源循環に係る本邦技術の活用に向けた情報収集確認調査
留意点 特になし。
リスク 特になし。
備考 特になし。
参考動画

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