民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 04-506-0351)

対象分野 水の浄化・水処理
対象分野詳細 水供給・上水道(水源開発、浄水処理、無収水対策、配水管理、水質検査、顧客管理等)
SDGsゴール 3. すべての人に健康と福祉を
6. 安全な水とトイレを世界中に
対象国 エチオピア
対象地域(州・県名) 全国
対象国・地域の現状 手洗いはCOVID-19感染防止の基本的方法であるにもかかわらず、給水条件が悪いために、その実践ができない地域がエチオピアには多く存在する。アディスアベバ市内でも給水が週に1-2日という所が普通で、小学校・幼稚園では貯水槽も満水にならず、水道水がない状態で児童を登校させざるを得ないような事態となっている。
解決すべき課題 エチオピアの新しい国家10ヶ年計画(2021-2030年)には、全教育施設・医療施設への安全な水の供給が長期目標として掲げられているが、現下の感染症対策は急務であり、現状の水不足状況下でも手洗いが可能となる水再生処理機能付きの手洗い装置が供給・普及すると、教育・医療施設での感染防止が強化できる。
活用が想定される製品・技術・ノウハウ 【手洗い排水循環再生処理機能付きの手洗い装置】
手洗い水を循環再生利用することにより、水道供給水が不足する状況下でも手洗い用水が確保され、例えば、学校・幼稚園等の施設で手洗いが可能となるような、手洗い排水回収・再生処理機能付きの手洗い装置。基本的に飲料用水とはせず、手洗い用水として水系感染症とCOVID-19感染を防止できるような水再生処理装置を想定する。排水の回収再生率は100%である必要はなく、水槽貯留水の使用量を大幅に削減し、次の水道供給まで貯留水が継続利用できればよい。
以下のような技術・装置が考えられるが、これに限らない。
1) 濁質、バクテリアを分離除去できる膜処理とUVによる殺菌処理(膜を透過するウィルス殺菌)の組合せなど、ユニットオペレーションの組合せによる再生処理。手洗い水は石鹸等の界面活性効果を持つ物質を含むため、その処理が課題として挙げられる。
2) 再生処理あるいは循環利用に適した専用の手洗い用薬品を開発し、その化学的特性や使用条件に適合した手洗い水再生処理装置を併せて供給(ただし、薬品の補充費用が安価であること)。
市場規模 例えば、小学校をターゲットとした場合、2014年政府統計で小学校は約32,000校あり、約18百万人の児童が通学。アディスアベバ市の某サブシティでも、毎日水道水が使用できるのは4割程度であるが、このような手洗い装置が使える小学校が全校数の3割程度と仮定しても、約9,600校、対象児童数約5.4百万人。手洗い水原単位を5L/人/日(在校中のみ)と仮定すると、27,000m3/日の総処理水量。10m3/日の処理能力を持つ装置の場合2700台必要。適用対象は幼稚園・高等教育機関、交通拠点、マーケット等の公共的施設等にも広げられるため、市場規模はさらに大きいと予想される。
関連する公的機関 Ministry of Water, Irrigation and Energy (MoWIE);Ministry of Education (MoE); Ministry of Health (MoH)
関連するJICAの方針 課題別指針・水資源(JICAの協力方針:衛生改善)
COVID-19感染拡大防止対策支援
健康と命のための手洗い運動推進
関連するODAプログラム・プロジェクト 水技術機構(EWTI)研修運営管理能力強化プロジェクト(装置の据付・メンテナンス技術の研修拠点としてEWTIを活用することが考えられる)
留意点 スペアパーツ、消耗品・薬品、メンテナンスサービスの供給チャネルを整備する必要あり。
リスク このような再生処理水による手洗いがMoH、MoEに認められるか未確認。認可条件として再生処理水の安全性確認(手洗い水としての水質確認)が厳しい場合には、上市までに時間・費用を要する可能性がある。
備考
参考動画

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