民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 11-309-0369)

対象分野 インフラ整備・運輸交通
対象分野詳細 港湾分野(海運含む)、道路・橋梁分野、都市・地域開発
SDGsゴール 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
対象国 ブラジル
対象地域(州・県名)
対象国・地域の現状 世界に占めるブラジルの地位は、国土面積第5位(日本の約23倍)、人口第6位(2億1,105万人:2019年世界銀行)、GDP第9位(1兆8,397万ドル:2019年世界銀行)で、南半球最大規模を誇ると共に、地域を超えたグローバル・プレーヤーとしての国際的地位を確たるものとしてきている。一方、World Economic Forumによる産業競争力ランキングによると、ブラジルのランキング(2019年)は調査対象国141か国中71位と低い位置づけとなっており、低評価となっている要因には、道路や港湾等の運輸インフラ整備の遅れによるロジスティックスの非効率性が挙げられる。
ブラジルは、その国土の広さゆえに、生産地から港湾への距離が平均 1000km を超えるため、輸送コストが他の競合国に比べ高くなる。大豆や鉄鉱石と言った主要輸出産品の輸出量は増加しており、生産地から港湾までの運搬量も拡大している。競合国との国際競争力を高めるためには輸送コストの低減が課題で、効率的・安価な輸送システムの構築が急務となっている。輸送システムは、各種情報の欠如により、往復時の輸送量に大きな差がある。港湾での待ち時間の長さ、バックヤードの渋滞の多発等も、輸送費高騰の原因となっている。然しながら、伯国の財政はひっ迫しており、連邦政府は主に民間資金を活用したインフラ投資の方針を打ち出している。輸送システムの合理化を図ることは、ブラジルの国際競争力を高めるために、政府と企業双方にとって重要な課題である。
解決すべき課題 2019年度、ブラジル事務所にて「インフラ分野課題に対する本邦企業進出及び本邦技術活用の検討にかかる情報収集・確認調査」を実施した結果、以下の課題が確認された。
(物流体制の効率化)
・国内道路の舗装率、密度、質が低い。
・交通渋滞。
・輸送時のロス及び荷痛みがある。
・国内輸送費が高い。
・国際輸送費が高い。
・倉庫活用の効率が悪く、適正規模の倉庫設置が必要である。
・港湾の効率が悪い。
活用が想定される製品・技術・ノウハウ ・物流バリューチェーンにおける情報システムの整備・共有
ex.
‐輸出入製品に係る生産地・倉庫・業者等の各種情報
‐倉庫保管システムの整備

・在庫保管時ロス、輸送時ロスを最小化するための技術やサービス
・港湾体制の改善に資する技術、製品の導入(通関、バックヤード、アクセス道路等の整備)
市場規模 (想定される市場)各種輸送業者(食肉・鉱物・農作物)、輸出入業者、金融機関、通関業者(港湾・陸路)、倉庫企業
関連する公的機関 経済省インフラ局、インフラ省、国家陸運局
関連するJICAの方針 対ブラジル連邦共和国 国別開発協力方針
重点分野2 投資環境改善
関連するODAプログラム・プロジェクト
留意点
リスク
備考 (参考情報)ブラジル国「インフラ分野課題に対する本邦企業進出及び本邦技術活用の検討にかかる情報収集・確認調査」ファイナル・レポート(2020年4月)
https://libopac.jica.go.jp/images/report/1000043757.pdf
参考動画

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