対象分野 | 保健医療 |
対象分野詳細 | 保健医療 |
SDGsゴール | 3. すべての人に健康と福祉を |
対象国 | コンゴ民主共和国 |
対象地域(州・県名) | キンシャサ特別州、コンゴ・セントラル州 |
対象国・地域の現状 |
コンゴ民主共和国は8,000万人を超える人口と日本の6倍の国土を持つ大国だが、広大な国土における道路舗装率は約2%に留まり、道路インフラが劣悪である。多くの医療インフラは、都市部に集中しており、農村部の住民は、劣悪な道路インフラにより、物理的、経済的に医療サービスへのアクセスが限定されている。 コンゴ民主共和国大統領府は、2019年9月に国家デジタル化計画を発表し、行政サービス効率化のためIT技術活用を推進する方針である。また、当国では安価なスマートフォンを用いたSNSや、M-PESA等の送金サービスが全国的に普及している。 コンゴ・セントラル州(人口約560万人)は首都キンシャサ(人口約1,300万人)に隣接し、州都マタディは国際港と円借款で建設された橋梁(マタディ橋)を持つ物流基地。保健人材開発と感染症サーベイランスに関する技術協力を実施しており、民間事業との連携が可能。 |
解決すべき課題 |
・課題1:ワクチン・医薬品供給 ワクチン・医薬品は首都、州都から供給されるが、道路インフラの整備状況が起因し、供給の遅れが多発している。そのために、地域住民の医療アクセスが限定されている。 ・課題2:検査検体の輸送 農村・森林部にある病院、保健センターでは十分な感染症診断の出来る検査室が存在していないため、首都、または州都への輸送が必要であるが、輸送経路が確立されていないことや道路インフラが原因で検査結果を得るまでに時間を要する。 ・課題3:医療サービスの質 都市部、農村部のいずれにおいても、必要な医療機材が不足しており、疾患の診断、治療が十分に行えない。 |
活用が想定される製品・技術・ノウハウ |
・ドローン等を用いた検体や医療関連物資の安全な輸送 検体や医療関連物資を安全に状態良く密閉し、ドローン(あるいは公共交通等安価な輸送手段)を用いて迅速かつ安全に輸送する技術が確立し導入されれば、感染症サーベイランスの飛躍的改善と流行の早期封じ込めに大きく貢献する。 ・ポータブル医療機器など、メンテナンスが簡易な医療機器 |
市場規模 |
キンシャサ特別州は、人口14百万人程度。 また、同国の国土の大半を占めている農村・森林地域(全人口の60%)での活用が期待される。また、コンゴ民に限らず、道路インフラが脆弱である為に医療サービスへのアクセスが限られている地域・国についても将来的な市場になりうる。 |
関連する公的機関 | 保健省本省、州保健局、国家ワクチン拡大プログラム、国立生物医学研究所、州病院、保健ゾーンリファラル病院等 |
関連するJICAの方針 | 対コンゴ民主共和国国別開発協力指針において「保健システム強化」は重点課題であり、それに基づき重点プログラム「保健サービスへのアクセス改善」を実施している。 |
関連するODAプログラム・プロジェクト |
重点プログラム「保健サービスへのアクセス改善プログラム」として以下の事業を実施中。 ・保健人材開発支援プロジェクトフェーズ3 ・感染症疫学サーベイランスシステム強化プロジェクト (以上2案件は、コンゴ・セントラル州で各分野のモデルを確立) ・国立生物医学研究所(INRB)拡充計画(危険度の高い病原体を扱えるバイオセーフティレベル3のラボを建設) ・保健アドバイザー(保健省事務次官の顧問として政策助言) |
留意点 | 2020年3月現在、当国でのドローン使用は、森林管理、施設建設、マスコミの取材等の用途で広く行われており、情報を収集し現状確認、教訓を得る必要がある。首都キンシャサの東のクウィル州では、ワクチン輸送の試行が行われた。また、赤道州において、ゲイツ財団の支援による米NGOのVillageReachによるドローンを用いた結核患者の検査検体、経口避妊薬等の移送試行が実施されている。 |
リスク | 交通安全:コンゴ・セントラル州に移動する国道1号線は舗装道路だが交通事故がしばしば起きており、移動を日中に限定し安全運転を遵守する等の注意が必要。 |
備考 | |
参考動画 | [VR360度]コンゴ民主共和国の感染症の検査・診断環境(3分13秒) |
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