対象分野 | 農業 |
対象分野詳細 | サービス(普及・研究・金融・生産資材) |
SDGsゴール |
1. 貧困をなくそう 2. 飢餓をゼロに |
対象国 | ルワンダ |
対象地域(州・県名) | ルワンダ全土 |
対象国・地域の現状 |
ルワンダは労働人口の約6割が農業従事者であり、一方で、その国土面積は、四国の1.5倍、耕作適地は全国土の48%と限られている。ほとんどの農作物の収量は潜在能力を大幅に下回り、市場価格も低く農家の所得は低水準となっている。 上記の土地生産性が低い原因としては、以下が挙げられている。 ・農地区画平均面積は0.6ha、30%の農家は0.2ha以下と各農家の区画が小規模 ・灌漑可能面積中灌漑整備済み面積は8.8%(2017)であり、天水に依存している ・優良種子、肥料、農薬や農業資材等のインプットが高く、小規模農家が購入不可。種子は、作物から取得し来年度に活用しており、生産性が低い。 ・丘がちの地形から土壌流出が多発。そのこともあり、酸性土壌が多く、有機物質もあまり含まれていない。 ・資金面に加え、各圃場が狭く、農業機械導入が進まない。 ・農業省(MINAGRI)傘下のルワンダ農業局(RAB)及び郡の農業普及員数が不足しており、適切な技術等が農協・農家へ普及していない。セクター(※1)レベルでは、普及に関し篤農家のようなボランティア(famer promoter等)に依存。 上記の各農家の区画が小規模である課題に対し、ルワンダ政府は、Land Consolidation政策やCrop Intensification Program(CIP)を実施し、各農家が小規模区画を結合し、政府が指定する基幹作物(メイズやアイリッシュポテトなど)を育てる場合、改良種子、肥料などへ補助金を提供し、土地生産性向上に向けた取り組みを実施。セクター予算の2割を投じるCIPにおいては、輸入の農業インプットへの過剰な依存が懸念されており、民間連携により改良種子の国内生産に取り組んでいる。また、民間銀行・企業と農業投入物補助金へのアクセスのデジタル化を進めている。更に、小規模灌漑を推進しており、揚水ポンプ等へ半額補助を行っている。 ルワンダ政府は、新型コロナ対策として、公共交通の運航禁止や郡間移動禁止等の行動制限施策と国境封鎖を実施した。このような状況下でも農業活動自体の実施は許可されていたものの、上述の各種制限により、輸入に依存する改良種子や肥料などの価格が上昇し、農業インプットの入手に影響を与え、農業生産性の低下やそれに伴う食料安全保障リスクが問題となっている。そこで、ルワンダ政府は手ごろな価格での必要な農業投入物の継続的な供給や小規模灌漑整備への支援に取り組んでいる。 (※1)セクター:郡の下の行政単位 |
解決すべき課題 | ・農業の土地生産性の低さ |
活用が想定される製品・技術・ノウハウ |
農業の土地生産性の向上に資する製品・技術・ノウハウ。複数の課題にまとめて取り組む仕組み。現状の案としては、以下の通りであるが、これに限定するものではない。 ・アフォーダブルな優良種子 ・地方における質の高い農業インプットの流通向上、農業インプット販売業者の技術向上 ・土壌流出防止と組み合わせる土壌改良技術や製品 ・安価・簡易で、パーツの調達も含めて維持管理が容易な小規模灌漑 ・洪水対応も含めて、灌漑施設の補修ニーズが即座に把握できるシステム ・農家の営農判断を支援する天候予測情報サービス ・簡易な整地を行うことで、小規模な土地でも活用できる農業機械 ・農業普及員を補佐する、ICTを活用したサービス(リモートセンシング技術等を利用した土壌条件に応じた施肥のアドバイスやその他営農サービス等) ・農業普及員等を補佐する農家向けのオンライン普及・研修サービス ・農業インプットへのアクセスを促進するマイクロクレジット提供サービス(農家向け、販売業者向け) ・農業インプットを必要としている農家を特定し、必要な時に安価で効率的に配送するデジタル/ICT等の技術・ノウハウ・仕組み(農家の農作業データ管理・トラッキングやカーシェアリング等) |
市場規模 |
・優良種子、肥料、農薬殺虫剤の使用率に係るデータは以下の通りとなる。 |
関連する公的機関 |
農業・畜産資源省(MINAGRI: Ministry of Agriculture and Animal Resources) 農業局(RAB: Rwanda Agriculture and Animal Resources Development Board) |
関連するJICAの方針 |
重点分野:農業開発(高付加価値化・ビジネス化) 開発課題:農業開発 協力プログラム:付加価値農業・ビジネス振興プログラム |
関連するODAプログラム・プロジェクト |
・技術協力プロジェクト「小規模農家市場志向型農業プロジェクト(SMAP)」2014‐2021年、「灌漑水管理能力向上プロジェクト(WAMCAB)」2019年‐2024年 ・無償資金協力「ンゴマ郡灌漑開発計画」(2014年度)、「ルワマガナ郡灌漑施設改修計画」(2017年度) ・円借款「農業変革を通じた栄養改善のための政策借款」2019年‐2021年 ・個別専門家「農業政策アドバイザー」2019年‐2021年 |
留意点 |
・製品・技術・ノウハウ・サービスなどを検討される際、アフォーダブルであることやマネタイズのタイミングは留意いただく必要があると想定します。 ・多くの農家はスマホ等のデジタルデバイスを保有していないため、それを前提としてサービスを検討いただく必要がある。 |
リスク | |
備考 | |
参考動画 |
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