民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 07-506-0181)

対象分野 農業
対象分野詳細 農業機械(灌漑用ポンプ、ドローン等含む)
SDGsゴール 1. 貧困をなくそう
8. 働きがいも経済成長も
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
対象国 エチオピア
対象地域(州・県名) アムハラ州、オロミア州、ティグライ州をはじめとする各州の農村部
対象国・地域の現状 エチオピアの農業セクターは労働人口の約70%、GDPの約40%を占めており、貧困削減および経済成長の核である。農業セクターの経済成長を持続していくためには、大部分を占める小規模農家の生産性向上や農業の市場参入の強化をしていく必要がある。
解決すべき課題 エチオピアの小規模農地の多くは国土の半分弱が標高1500m以上の山間地に位置し、その労働形態は今でも役牛はじめ家畜による耕起作業、脱穀作業が主で機械化は遅れている。生産性向上のために農業機械の導入を考える場合、インド、中国産は安価に購入できるものの日本産より品質が落ちる、一方で日本産は高額で小規模農家には手が届かない。そのため農業振興にあたる行政では中古農業機械の導入機会を探っているが、エチオピアでは国内産業保護、内需喚起を目的に多くの物品の輸入を規制あるいは高額な税金を課しており、さらに外貨不足により原材料や部品、機械等の輸入が極めて困難な状況にある。エチオピア政府は外資誘致に積極的に取り組んでいるが、その目的は輸出拡大と雇用機会の創出であり、国内市場向け製品については外資による輸入販売は認められておらず、参入には国内生産が求められている。小規模農家の生産性向上には、品質が高く且つ廉価な農業機械の国内開発が期待される。
活用が想定される製品・技術・ノウハウ 小規模農地の多くが立地する山間傾斜地への導入が可能な国産小型農業機械
市場規模
関連する公的機関 ・Ministry of Agriculture and Natural Resource, Mechanization directorate
(農業省機械局)
・Ethiopian Institute of Agricultural Research(EIAR)
・Agricultural Transformation Agency(ATA)
・Regional Laboratory(各州が有する農業研究組織)
・Ethiopian Investment Commission
関連するJICAの方針 食料安全保障および経済成長の基盤となる農業生産性および安定性向上の為の支援を行っていく。また、経済成長を持続的に推進していくため農村の市場経済化を支援していく。更に農業の生産性の基盤となる持続的な自然管理についても支援を行っていく。
関連するODAプログラム・プロジェクト 農業生産性・安定性向上プログラム
留意点 1)市場規模の算出
2)現地環境(土壌、気候)、栽培作物、機械使用能力、メンテナンス能力の調査、分析、その結果を活用した現地に最適な小型農業機械仕様(耕運機の馬力、形状、脱穀機の形状等)の検討
3)小型農業機械の普及・販売を想定した現地パートナーの発掘・選定
4)現地ニーズ、販売体制を考慮したビジネスモデルの構築
リスク
備考 エチオピアにおいて20年近くにわたり機械部品や金型製造を行ってきたAmio Engineeringはこのほど農業用トラクターの組み立て生産に乗り出すことを発表、信頼できる外資との提携を通じて本プロジェクトにあたりたいとしている。同社は過去数年にわたりトラクター部品、農業関連機械の製造とそれら製品の南スーダン、ジンバブエへの輸出、さらにトラクター自体の輸入を手掛けてきており、今回外資との提携により完成品のアッセンブリー生産に取り組むことになった。
関連ニュースサイト
https://newbusinessethiopia.com/manufacturing/amio-engineering-to-commence-tractor-assembly/

エチオピア農業分野等に関するニーズ調査報告書
「平成 27 年度外務省政府開発援助海外経済協力事業(本邦技術活用等途上国支援推進
事業)委託費ニーズ調査報告」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/000151388.pdf

参考動画

このページは、当機構が契約するスパイラル株式会社情報管理システム「スパイラル」が表示しています。