民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 08-051-0232)

対象分野 保健医療
対象分野詳細 保健医療
SDGsゴール 3. すべての人に健康と福祉を
対象国 バングラデシュ
対象地域(州・県名)
対象国・地域の現状 バングラデシュにおいては、無償の公的保健サービスの質とアクセスが十分確保できていないため、民間医療機関やNGOなどが運営するクリニックで受診したり、医薬品を購入したりする住民が多い。このような有料サービスの利用が、特に貧困層の家計を逼迫し、更なる貧困を招いている。国民一人当たりの保健支出37米ドル(2016)のうち、約70%が自己負担支出である。
他方、保健医療サービスの担い手である医師、看護師、助産師の不足が深刻な国の一つであり特に同人材は人口10,000人あたり2.8人と医師(10,000人あたり3.0人)よりも少ない(2015,WHO)。また、病院の運営方法、施設・機材の整備状況に改善すべき点が多く、提供されている医療の質は依然低い状態である。
母子保健について1990年代に比べ改善が見られるものの妊産婦死亡率、5歳未満児死亡率ともに一層の取り組みが必要である。栄養問題は深刻で、5歳未満児における成長阻害の割合は36.1%、栄養失調の割合は14.3%(2016,WHO)といずれも高い。
さらに、食習慣や生活様式の変化、喫煙の増加等により心血管疾患・がんといった非感染性疾患(NCDs)が全死因の約70%を占めている。このような疾病構造の転換に対して、公的医療サービスにおけるNCDsの予防、早期発見や早期治療のための環境は十分に整備されておらず、疾病構造の変化に対応した対策の強化が望まれる。
また、新型コロナウィルス感染症の拡大により、病院内・医療従事者に対する感染対策の整備や、市民の感染予防に対する啓発等の対応があらたな課題となっているほか、ICTを活用した遠隔診療の導入に向けた検討が進められている。
解決すべき課題 上に同じ
活用が想定される製品・技術・ノウハウ ・民間企業・組織やNGOなど多様なアクターと連携しながら、主要な健康問題として認識される非感染性疾患の対策を中心に、予防に資する健康管理機器、早期発見のための診断技術など、農村地域や都市部のスラムの医療機関でも提供可能で住民のアクセスが可能な、安価で簡素な医療機材やサービスを提供することが期待される。
・栄養対策に向けた意識喚起ツール及びサービス、栄養食品等。
・母子保健も依然課題であることから、質の高い母子保健サービス提供に資する機材、サービス。
・新型コロナウィルス感染症に対応する、(特に地方部における)感染予防に資する機材・設備・備品(PPE等)の整備および感染予防に対する啓発・意識向上のツールの展開、遠隔診療サービス、AIによる医療診断結果解析サービスの提供等。
市場規模 医療費支出総額: 51億US$ (2019,経済産業省)
関連する公的機関 保健家族福祉省
関連するJICAの方針 国別開発協力方針・事業展開計画参照
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/kuni_enjyo_kakkoku.html
関連するODAプログラム・プロジェクト コミュニティ主体の健康づくりプロジェクト
看護サービス人材育成プロジェクト
母子保健および保健システム改善事業、他
留意点
リスク
備考
参考動画

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