民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 11-245-0307)

対象分野 インフラ整備・運輸交通
対象分野詳細 道路・橋梁分野
SDGsゴール 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
11. 住み続けられるまちづくりを
対象国 メキシコ
対象地域(州・県名) 全土
対象国・地域の現状 合衆国であるメキシコには、道路関連行政組織として@連邦政府、A州政府、B市役所がある。メキシコの道路は、連邦道路、州道、市道、その他道路から構成される。広大な国土を有するメキシコでは、全国の道路網延長は2017年時点で40万kmに達しようとしている。舗装道路率は43.9%(2017年)であり、当国と並んで注目されている新興国のトルコの91.3%(2016年)やインドネシアの60.7%(2016年)に比して著しく低い。
解決すべき課題 (1)非効率な維持管理サイクル
 メキシコでは、道路・橋梁に関するインベントリーなどの基礎データ、マネジメントサイクルの構築はある程度整備されているものの、これらを今後持続的にカイゼンしながら実施していくために、新技術の活用(点検機器、ICT、ビッグデータ、ディープラーニング、補修技術など)によるマネジメントサイクルの省力化・効率化が課題となっている。

(2)道路・橋梁インフラの損傷
 道路舗装のポットホールなどは、小さな損傷をきっかけとして徐々に大きくなっていくことが一般的であり、発達した重大な道路損傷は大掛かりな補修工事が必要となる。また、過積載を要因とした橋梁舗装の破損の問題も顕在化してきている。通信運輸省(SCT)、州政府、市役所などの間で所管の違いによる舗装状態の相違により、舗装間に段差が生じているケースもある。交通事故の原因となるような重大な損傷に達することを未然に防止するため、またライフサイクルコストの低減を図るためには、日常的な点検を通じて初期段階の道路損傷を適切に補修していくことが必要とされている。

(3)工事・事故による渋滞
 メキシコでは、連邦道路を中心として交通量が非常に多く、道路工事による車線規制や交通事故の発生による渋滞の発生が、極めて大きな社会的影響をもたらしている。このため、新技術・新工法を活用した工事期間短縮の方策や、既存道路に対する交通事故対策が必要となっている。
活用が想定される製品・技術・ノウハウ ・道路状態の計測技術
・橋梁など構造物の非破壊検査、試験技術
・内部鉄筋の腐蝕度測定、コンクリート強度試験技術
・構造物診断技術
・路面化空洞非破壊検査技術
・舗装補修材料の新技術(常温アスファルト補修材など)
・雨水管など既設の管渠の更生工法 等

※詳細は下記『質の高いインフラ導入に係る情報収集・確認調査(2018年)』参照。
市場規模
関連する公的機関 通信運輸省道路保全総局(Dirección General de Conservación de Carretaras, Secretaría de Comunicación y Transportes)、ケレタロ州道路委員会(Comisión Estatal de Caminos, Estado de Querétaro)、メキシコ運輸研究所(Instituto Mexicano del Transporte)等
関連するJICAの方針 対メキシコの開発協力方針に、「日系企業の進出は、互恵的な二国間経済関係を強化するとともに、メキシコ及び中南米地域全体の経済社会発展にも貢献するため、日系企業の海外展開につながる官民連携型の支援にも積極的に取り組む」と定められており、同方針と合致する。
関連するODAプログラム・プロジェクト ・民連「スマートフォンを活用した道路の路面性状(IRI等)の記録技術導入に係る案件化調査(2020〜2021年)」
・民連「自動車産業の補完産業としての梱包材産業振興に向けた普及・実証事業(2019〜2021年)」
留意点
リスク
備考 メキシコにおける道路・橋梁維持管理分野の現状、課題、活用が想定される製品・技術・ノウハウの詳細については、『質の高いインフラ導入に係る情報収集・確認調査(2018年)』を参照のこと。
https://openjicareport.jica.go.jp/614/614/614_600_12303186.html

近年、メキシコでは日系企業が進出が増加しており、2019年6月時点で1,200社を超える。特に、中央高原のバヒオ地区には自動車産業関連の日系企業が多い。
参考動画

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