民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 09-233-0267)

対象分野 教育
対象分野詳細 初等教育
SDGsゴール 1. 貧困をなくそう
4. 質の高い教育をみんなに
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
対象国 グアテマラ
対象地域(州・県名)
対象国・地域の現状 グアテマラにおいて、2000年代以降、JICAは青年海外協力隊チーム派遣、技術協力プロジェクト等により、算数指導力向上に継続的に取り組んできた。他方、前期中等課程では数学科の国定教科書・教師用指導書が未整備であったことから、「前期中等数学科教育の質改善プロジェクト」(2017年〜2019年)を通じて教科書・指導書を開発・普及した。その結果、全国の国立基礎教育学校(INEB)では国定教科書に基づく授業が展開されるに至ったが、国定教科書及び指導書を活用した教育の定着には至っていない。また、2020年の新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、教育省は児童・生徒の在宅学習支援を実施しているものの、低品質なオンライン教材の改善、インターネット環境が未整備であり携帯電話を有さない家庭も多い貧困地域の児童・生徒の学習支援や教師の児童・生徒への学習指導が困難な状況となっている。
解決すべき課題
上述のような背景から、グアテマラの算数・数学教育については以下の課題がある。
@国定教科書・指導書に沿った算数・数学教育の定着:
 教材の改善、教師の質の向上と統一(児童・生徒が理解しやすい番所計画などの
 教育方法などを含む)、算数・数学教育をけん引する人材の養成が必要とされる。
A在宅学習支援:
新型コロナウィルス感染拡大による在宅学習が長期化する中で、特にインターネッ
 トが未整備であったり、携帯電話を有していない家庭が多い貧困地域では、児童・
 生徒の学習進捗の遅れが懸念されるとともに、指導にあたる教師の負担も増してい
 る(教師が児童・生徒宅を一軒ずつ訪問し指導にあたる事例がある)。
活用が想定される製品・技術・ノウハウ ・オンライン教育システム及び教材:
 教育省HPには現在オンライン教材がアップされているが、十分な内容でないため、
 「前期中等数学科教育の質改善プロジェクト(2017年〜2019年)」にて作成された
 国定教科書及び指導書に沿ったオンライン教育教材。児童・生徒向けクラウド型学習システム、授業動画配信、アダプティブラーニング(適応学習)の技術を活用した電子学習教材の他、教員向けの教科および指導法動画教材等。
・オフラインで活用できる教育システム及び教材:
 ダウンロードにて使用できる教材、アプリ等インターネット環境がなくとも、
 児童・生徒の学習、教師の指導を補助する製品・技術・ノウハウ。
市場規模
関連する公的機関 教育省、市町村
関連するJICAの方針 国別開発協力方針において、貧困地域の社会・経済開発が掲げられている。
地域間の格差は政治・社会状況の不安定化を招く要因であり、その結果、経済成長
を阻害する原因となっている。このため、貧困層・先住民族が多く居住する地域にお
いて、基本的ニーズにターゲットを置いた社会開発(保健・衛生、教育等)及び生計
維持・向上を目標とした経済開発(交通インフラ、中小零細企業、農村開発等)支援
を行うことで、都市部との格差是正に貢献し、持続的・包摂的成長を促す。
関連するODAプログラム・プロジェクト ・前期中等数学科教育の質改善プロジェクト(2017年〜2019年)
・長期専門家派遣 算数・数学教育アドバイザー(2020年〜2022年)
留意点 1.グアテマラ政府財政悪化のため、教育省を顧客としたビジネスモデルの成立は困難である可能性が高いため、官需だけではなく、民需(私立学校、民間企業、個人)に対応したビジネス展開計画の検討が必要である。
2.事前調査においては、複式学級での対応可否も検討されること。
3.当国は先住民が多く、地域ごとにスペイン語力に差があるため、教材は主に算数・数学を対象として検討されると良い。
リスク
備考 関連する案件事例(一部抜粋):
・eラーニングを活用した子供たちの数学の学力達成度強化のための案件化調査(2018)
・教育の質向上の為のeラーニングシステム導入に係る案件化調査(2016)
参考動画

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