民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 05-024-0115)

対象分野 産業振興
対象分野詳細 観光促進
SDGsゴール 9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
11. 住み続けられるまちづくりを
対象国 ラオス
対象地域(州・県名) ルアンパバン県
対象国・地域の現状 世界遺産地区を有するルアンパバン県においては、観光客が急増しており、2019  年は過去最高の86.0万人を達成した。ルアンパバン県政府は一層の観光客増による都市部、地方部双方の経済振興を目指している。2021年にはラオス・中国鉄道がボーデン−ビエンチャン間にて完工予定であり、さらなる人口流入、観光客増の可能性がある。しかしながら注目される観光地であるにも関わらず、ルアンパバンにおける観光客向けのサービスは十分とは言えないとともに、世界遺産の維持・修復が十分できておらず、環境問題も悪化し、世界遺産としての魅力が損なわれているといった声が聞かれる。また、2020年初頭から発生した新型コロナウィルス感染症の影響で観光客数が激減しており、観光業は大きな打撃を受けている。
解決すべき課題 観光客に世界レベルのおもてなしと安定性を備えた観光サービスを提供するとともに新型コロナウィルスの影響を踏まえて観光を振興するためには以下の課題解決が必要である。
・観光客が手軽に利用できる移動手段がなく、ルアンパバン中心市街から地方部へのアクセスが容易ではない。
・おもてなしの発想が十分ではなく、観光案内所やホテルのスタッフが外国人観光客の満足のいく対応をできていない。
・ルアンパバン中心市街地部、地方部の双方において観光資源が点在しているにも関わらず、案内が十分ではなく認知されていない。
・新型コロナウィルス対策に対応した観光客のトラッキングや、観光客に訪問地に対する一定の責任を求めるレシポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)等に取り組み、旅行者と事業者、住民が安心感・信頼感を持つことができる観光誘致が行われるべきである。
活用が想定される製品・技術・ノウハウ ・観光名所入場料一括徴収システム、観光交通システム(特にICT、ITS、MaaSなどを活用し、利便性を向上するとともに環境へも配慮したもの)
・観光案内・プロモーションのデジタル化技術(24時間アクセス可能な観光情報アプリ、ウェブサイト、デジタルサイネージなど)
・ラオスの文化・自然などの体験型観光アトラクション開発(世界遺産地区だけでなくルアンパバン県全体の観光開発を促進し、旅行者の滞在期間の長期化と雇用創出、地場産業振興につなげる)
・歴史文化施設における観光掲示板(歴史、文化などを解説するもの、ロボットによる多言語対応など)、王宮時代の歴史的建造物などの遺産を再現するVR技術等。
・観光産業に従事する人材育成機関(ホテル学校など)
・新型コロナウィルス感染対策に対応した観光の顧客管理(CRM:カスタマーリレーションシップマネジメント)システム
・宿泊施設、観光関連施設等への非接触型サービスの導入
市場規模
関連する公的機関 ルアンパバン県情報文化観光局(Department of Information, Culture and Tourism)、ルアンパバン県世界遺産事務所(World Heritage Office)
関連するJICAの方針 「対ラオス人民民主共和国国別開発協力方針」(2019年4月)における重点分野の一つである「環境・文化保全に配慮した均衡のとれた都市・地方開発を通じた格差是正」及び「日本・ラオス開発協力共同計画」(2016年9月)における協力の三本柱の「V 環境・文化保全に配慮した均衡のとれた都市・地方開発を通した格差是正」に位置づけられる。
関連するODAプログラム・プロジェクト 技術協力プロジェクト「ルアンパバン世界遺産の持続可能な管理保全能力向上プロジェクト」(2018-2021)
留意点 観光客増による経済裨益は遺産地区に集中しており、ルアンパバン県全域に裨益を広げることによる、遺産地区への過度な集中の軽減および県全域での経済振興を図っていく必要がある。また、今後新型コロナウィルス対策に対応した観光振興の取り組みを行うべきである。
リスク
備考
参考動画

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