民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 04-742-0111)

対象分野 水の浄化・水処理
対象分野詳細 水供給・上水道(水源開発、浄水処理、無収水対策、配水管理、水質検査、顧客管理等)
SDGsゴール 3. すべての人に健康と福祉を
6. 安全な水とトイレを世界中に
11. 住み続けられるまちづくりを
対象国 カザフスタン
対象地域(州・県名) 全土
対象国・地域の現状 カザフスタンでは、環境保全分野において、地表水(内陸国のため主に河川、湖沼)の質が住民の生活及び産業振興上の課題として近年重要度が増している。カザフスタン国内の河川は、アンモニウム、硫酸塩、塩化物、リン酸塩、フェノール、フッ化物、重金属等の物質で汚染される傾向があり、濁度も高いレベルにある。これら河川の水質汚染は、工業・産業関連施設等から未処理または処理が不十分なまま廃水として排出されることに起因しており、また豊富な鉱物資源を有する同国では、歴史的に存在する汚泥(鉱業からの廃棄物)の蓄積とも関連している。汚染物質の7割以上がカラガンダ、アルマティ、コスタナイ地域に集中している。政府は近年、廃水排出量を削減する「グリーン」技術の導入を進め、企業にてリサイクル給水設備の導入、排水の再利用、企業内で汚染された廃水の浄化と再利用をする施策を強化している。企業は2025年から「利用可能な最良の技術(Best Available Technologies:BAT)」枠組みの中でより高い水準での環境保全・人間の健康確保、産業公害の防止と緩和に資することが求められる。環境に負荷をかける排出物量を削減するとともに、原材料・水・エネルギーの消費削減及び効率化を行い、生産過程においてこれらに対処する技術の導入及び強化が求められている。
解決すべき課題 産業廃水・工場排水、水質汚濁問題の克服、住民の健康被害の緩和、安全な飲料水の確保、灌漑用水資源の確保
活用が想定される製品・技術・ノウハウ 工業用水および廃水処理のための技術・製品。飲料水の資源となる河川水にするために処理するものに加えて、産業用の水として再活用するための廃水処理技術を含む。水資源の状態を効果的に管理するためのモニタリング技術の適用も含む。
市場規模 カザフスタンは1800万人であるが、周辺諸国を含めると中央アジア全域では7,400万人以上の市場規模となる。
関連する公的機関 エコロジー・地質・天然資源省及び水門気象センター
水質・水資源管理に関与している国立大学や研究所
関連するJICAの方針 環境保全・気候変動対策が重点分野の1つ策定されており、本件は環境保全に資する取り組みとして位置づけられる。
関連するODAプログラム・プロジェクト 民間技術普及促進事業「膜分離活性汚泥法(MBR法)による下水処理技術普及促進事業」
技術協力「ヌラ川流域水銀環境モニタリングプロジェクト」をカラガンダ州を対象に実施済(2007-2009年)。課題別研修及び青年研修を通じて環境保全分野の人材育成を継続的に実施中。
留意点
リスク ・冬季(10月〜3月)は厳冬のため、建設や設置作業は特に北部では困難。
・カウンタパートの人材、制度、予算の不足。
・適切なカザフ側パートナー企業やサポート企業の選定が案件の成否に直結する。
備考 カザフスタンの首都ヌルスルタン(旧アスタナ)にフィールドオフィス(日本人駐在、JICAキルギス共和国事務所が兼轄)と旧首都アルマティに日本センター(日本人専門家駐在)がサポート拠点として存在。
参考動画

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