民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 09-045-0262)

対象分野 教育
対象分野詳細 初等教育
SDGsゴール 4. 質の高い教育をみんなに
対象国 モンゴル
対象地域(州・県名) モンゴル全土(特にウランバートル市)
対象国・地域の現状 ■学校での学習時間不足を補う家庭用教材の不足
首都ウランバートルでは生徒数に対して学校数が圧倒的に足りておらず、公立学校は二部制・三部制で運営されている。生徒が学校に通っていない間の学習は学校からのサポートは無く、家庭用学習教材も十分に普及していない。また、首都と地方で教員や学習環境に大きな差があることから、教育の地域間格差も生じている。
■理数科教育の実験器具不足
実験器具自体はあるものの、その数が生徒数に対して足りない状況である。教育研究所(MIER)によるとウランバートル市の学校の40%、アイマグ(県)センターの20%、ソム(郡)の30%で、実験器具が無いことが指摘されている。加えて、教員が自身の1ヶ月の給料の約1割に当たる50,000MNT〜78,000MNT(約2,000円〜3,240円)を教材のために個人的に支出することもあると報告されている。
■教務効率化
モンゴルの学校では、教員が授業運営以外の成績管理や定期考査の運営、副教材の管理等、様々なICTを活用した教務のデジタル化・効率化はまだあまり行われていない。ICT技術の導入によりこれら業務の効率化を行うことが期待される。
解決すべき課題 上述の通り。
更に2020年の新型コロナによる休校や各種規制(大人数での集会禁止)により対面式授業ができなくなり、オンラインやTV授業が導入された。UNICEFとモンゴル政府による調査では家庭学習用に教材を得られたのは3割程度で、オンライン授業や家庭学習で使用できる資材の不足が課題である。また遠隔授業でも生徒の理解度を確認するための資材、弱点補強用の資材も必要。
活用が想定される製品・技術・ノウハウ ・家庭学習用教材不足⇒家庭用学習アプリの開発が期待される。
・理数科教育の実験器具不足⇒実験の様子を再現できる教育プログラムの開発が期待される。
・教務効率化⇒学校事務をはじめとする校務効率化のためのシステム整備が期待される。
・生徒の授業理解度・学習到達度を確認、弱点補強するオンライン資材・教材等。
・オンラインによる学期末・学力試験等(経済的に可能な私立学校向け)
市場規模 初中等生徒数は約68万人(2020年、国家統計局)
関連する公的機関 モンゴル教育・科学省、教育研究所、教員研修所、教育評価センター等
関連するJICAの方針 対モンゴル国国別開発協力方針及び事業展開計画を参照
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/seisaku/kuni_enjyo_kakkoku.html

同方針にて、「包摂的な社会の実現」を重点分野と定め、基礎教育分野について、カリキュラム策定/改訂・実施支援・評価等の一貫した教育制度の実現に対し、教育分野の基本戦略である「平和と成長のための学びの戦略」を念頭に、中央政府に対するインプットを継続的に行うことで、基礎教育の質向上を目指すとしている。
関連するODAプログラム・プロジェクト ・技術協力プロジェクト:障害児のための教育改善プロジェクト(フェーズ2)
・草の根技術協力:モンゴルにおける地方中学校校教員の質の向上‐ICTを活用した地域に根差したSTEM研修教材開発を通じて‐。

【参考】
https://www.jica.go.jp/mongolia/office/activities/index.html
留意点 【2021年1月時点の情報】
・新型コロナの影響による長期にわたる休校により、家庭学習用のオンライン学習教材の需要はより高まっている。また、遠隔授業に関する調査でも、子どもの家庭学習そのものへの満足度は高く、質の良い教材があれば個人家庭で購入されることが期待できる。
リスク
備考 ICT技術を活用した教育支援可能性及び本邦企業進出可能性に係る情報収集・確認調査報告書(2019年3月)
https://libopac.jica.go.jp/images/report/1000040726.pdf
参考動画

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