民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 05-548-0127)

対象分野 産業振興
対象分野詳細 企業競争力強化(含む金融アクセス改善、産業人材育成)
SDGsゴール 1. 貧困をなくそう
8. 働きがいも経済成長も
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
対象国 タンザニア
対象地域(州・県名) タンザニア全土(シンギダ州、ドドマ州、マニャラ州、ムベヤ州に産業クラスターあり)
対象国・地域の現状 タンザニア政府は2025年までに中進国入りを果たす「タンザニア開発ビジョン2025」を掲げ,工業化(Industrialization)に重点的に取り組んでいる。また、農業セクターは当国名目GDPの約30%、全体雇用の約70%を占める重要セクターであり、農業セクターの生産性向上や商業化は当国において最重要な政策課題の一つとなっている。
 タンザニアは、アフリカ諸国では南アフリカについで二番目のヒマワリ種子とヒマワリ油の生産国である。国内の食用油消費量のうちヒマワリ油は約30%、国産食用油の約80%を占めている(USAID, 2017)が、ヒマワリ油の国内需要が330,000トンと推定される中、国内供給は40%程度に留まりその他を輸入に頼っている現状である(2015、FAO)。2015年の農業省の調査によると、ヒマワリ種子生産は約300万トン(※注)で、パームやゴマ等を含めた食用油種子全体の48%となるが、近年あまり生産量の成長がなく、更なるヒマワリ種子及び食用油の生産拡大は国内産業育成と輸入代替に繋がる。
 現在のヒマワリ油は粗油での流通が多く、より品質が高く安定している精製油の生産及び流通の拡大が求められているが、精製設備の導入は個々の粗油製造業者にとって高額であり導入に踏み込めていない現状である。また、天水農業への依存や採種したヒマワリ種子の使用などによるヒマワリ種子収量低迷の問題がある。また、搾りかすは多くが輸出されており、国内でより付加価値のある精製油や飼料製造へ活用も求められている。
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※注)FAO(2018年)では約100万トンとされており精査が必要。
FAO:Food and Agriculture Organization of the United Nations
解決すべき課題 ヒマワリ種子及びヒマワリ油の生産性・品質向上
ヒマワリ油搾りかすの活用技術
活用が想定される製品・技術・ノウハウ ヒマワリ種子及びヒマワリ油の生産性・品質向上のための技術や機材(粗油・精製油製造機械等)
ヒマワリ油搾りかすの活用技術
市場規模 タンザニア国内、ポテンシャルとして近隣国への輸出が考えられる。
(現にインドを中心に隣国(ケニア、ルワンダ)への輸出実績あり。主に油かすの輸出。隣国ケニアやルワンダはヒマワリ種子・油生産がほぼなく、今後の輸出先として可能性がある。)
関連する公的機関 産業貿易省(Ministry of Industry and Trade)
農業省(Ministry of Agriculture)
中小企業振興公社(Small Industries Development Organization)
関連するJICAの方針 対タンザニア連合共和国国別開発協力方針(2017年9月)
重点分野1 経済成長のけん引セクターの育成
開発課題1-1 農業開発、開発課題1-2 産業開発
関連するODAプログラム・プロジェクト 個別専門家「産業クラスター開発」
留意点 ヒマワリ油製造に関しては、業者の多くが中小零細企業であり(90%以上)、彼らのキャパシティに応じた提案であることが望ましい(技術的簡便性、安価な機材費用・維持管理費等)。ヒマワリ種子はこれに限らない。
リスク 廉価な輸入食用油との価格競争リスクが考えられる(主に、シンガポールやUAE、インドネシア、インドからのパーム油)
また、他の食用油(パーム油、ゴマ油等)との競争リスクもある。
備考
参考動画

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