民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 08-551-0248)

対象分野 保健医療
対象分野詳細 保健医療
SDGsゴール 3. すべての人に健康と福祉を
対象国 ザンビア
対象地域(州・県名) ルサカ郡
対象国・地域の現状 ザンビア共和国では、乳児死亡率21.4(出生1,000対、2015年)、5歳未満児死亡率64(出生1,000対、2015年)、妊産婦死亡率224(出生10万対、2015年)等保健指標の改善が課題となっている。係る背景の下、当国政府は「第7次国家開発計画2017-2022」において、健康で生産性の高い人材づくりに貢献するため、保健サービスの強化とアクセスの向上を通じ、上記保健指標の改善に取り組んでいる。
当国では、国家保健戦略(National Health Strategic Plan 2017-2021)に基づき公的保健医療施設の整備並びに救急医療を含む病院間リファレルシステムの強化を進めている。しかしながら、ルサカを含む都市部においては、急激な人口増に伴い外来及び入院患者が増加し、従来のアナログ的な患者フロー・診療管理などが効率的な診療体制、救急医療体制、患者情報管理の構築を妨げている。また、各病院のレベルに応じた患者リファラルシステム(救急診療を含む)の構築が喫緊の課題となっている。
解決すべき課題 ザンビア政府予算の逼迫に伴い、病院運営管理予算は困窮している。公的健康保険制度(ユニバーサルヘルスカバレッジ)の導入政策は停滞しており、患者はX線診断や超音波診断、処方薬品の購入等に費用負担を強いられる一方、病院側は必要な医薬品や医療消耗品の購入、人材の新規雇用、人材育成にかかる研修、院内感染対策に必要な物品の調達や老朽化した医療機材の更新に困難を来している。
救急患者の緊急度に応じて治療の優先順位を決定し、搬送、病院選定、治療をスムーズに行うためのトリアージが出来ていない。
公的病院の経営改善、診断・救急・治療能力の強化は、プライマリヘルスケアの推進や医薬品の安定供給等と共に保健医療政策上の課題となっている。
活用が想定される製品・技術・ノウハウ @第一次及び第三次(高度サービス)レベル病院の病院管理能力の強化に係る適正なICTシステム化計画の策定及び導入支援
Aリファレル患者の情報転送システムや重症度に応じた患者対応システム、救急車運用システム導入を通じた病院間リファレルシステムの強化(e-MATCH: Emergency Medical Alliance for Total Coordination in Healthcare)
B画像診断装置のデジタル化や携帯型心電計の遠隔診療システム、医療機材運用システムの導入などの日本製医療機器・システムのマーケティングや普及支援を通じた対費用効果の高い公的医療機関の診断能力の向上
市場規模 参考情報として、ザンビア国内の病院数は政府系で141、ミッション系は68、民間病院及びクリニック(小規模の診療所を含む)が544。
関連する公的機関 保健省(Ministry of Health)、ザンビア教育大学病院(UTH)、ルサカ郡第一次レベル病院
関連するJICAの方針 JICAはザンビアの保健セクターに対して、「医療施設整備や郡保健局の体制強化」と「感染症に対する対応能力の強化」の2つを目標に支援を継続している。
「医療施設整備や郡保健局の体制強化」の成果達成に係る支援活動として、一次レベル病院及び医療機材整備、病院運営管理能力の強化、を掲げており、本件は上記方針に合致する。
関連するODAプログラム・プロジェクト ・ルサカ郡病院整備計画(実施済)
・第二次ルサカ郡病院整備計画(実施中)
・ルサカ郡一次レベル病院運営管理能力強化プロジェクト(実施予定)
・コッパーベルト州における保健センターの郡病院への改善計画(実施中)
留意点 ザンビアの公的医療機関に対しては、米国が 病歴管理システム(Smartcare)及び医薬品在庫管理システム(eLMIS: Electronic logistics management information system)の導入を支援している。
リスク
備考
参考動画

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