民間企業の製品・技術の活用が期待される開発途上国の課題

(課題シートNo. 07-327-0167)

対象分野 農業
対象分野詳細 加工・流通・輸出振興
SDGsゴール 2. 飢餓をゼロに
8. 働きがいも経済成長も
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
対象国 ペルー
対象地域(州・県名) 全国
対象国・地域の現状 ペルーのGDP に対する農業の割合は約5.4%を占めており(2019年、経済財政省)、新型コロナ禍においても農業セクターの成長率はプラスとなっている。約224万世帯の主要所得となっているが、そのうち約80%は貧困率が比較的高い地方部の世帯である(2017年、国家統計情報庁)。ペルー国土は、西部太平洋岸の乾燥砂漠地域(コスタ)、アンデス山脈が縦断する中部高山地域(シエラ)、アマゾン河が横断する東部熱帯雨林地域(セルバ)の3 つの異なる自然帯から構成され、各地域で多様な農産物が生産されている。コスタでは豊富な日射を活かしてサトウキビや米などの穀物に加え、対日輸出もされているアスパラガスなどの野菜や柑橘類が栽培され、シエラはトウモロコシやジャガイモ、コーヒー、マカなどの伝統的作物の他、近年ではキヌアやキウィチャなどの高栄養価雑穀の生産地になっており、セルバではカムカム、マンゴーなどの熱帯果樹が多く生産されている。また近年、コーヒーやカカオの有機栽培が盛んとなっている。
解決すべき課題 農業はペルーにおける重要セクターであり、高い多様性から発展ポテンシャルを有する。しかし、コスタでの大企業による農業生産を除くと、資材供給から栽培、加工、流通、販売までのサプライ・チェーン全体が未発展で非効率的という課題がある。例えば、資材供給面では灌漑設備や優良種子、適切な農具の不足、及び低品質肥料の流通が課題となっている。加えて、栽培・流通・販売面においては塩害や水不足(特にコスタ・シエラ)、上述の不適切・不十分な農業資材の利用や農業機械化の遅れ、不十分な病害虫対策、個別・少量の生産・販売(特にシエラ)、不明確な品質基準や未選別販売が見られ、サプライチェ−ン全体に基礎的な課題を多く抱えている。また気候変動の影響もある中、気候条件等を正確に計測・管理・予測可能な技術のニーズも増加している。
活用が想定される製品・技術・ノウハウ ・農具(ネット等)、肥料など農業資材生産・販売
・トラクターなど農業生産機材生産・販売
・農産物の選別・加工・処理技術
・農産物流通に関するノウハウや資機材
・気候条件等を正確に計測・管理・予測可能な技術
・水耕栽培の技術
市場規模
関連する公的機関 農業灌漑省、生産省
関連するJICAの方針 地方農村部生産性改善プログラム
関連するODAプログラム・プロジェクト 円借款「山岳地域小中規模灌漑整備事業」
留意点 ペルーでは遺伝資源の違法な輸出が社会問題となる等の状況があるため、遺伝資源の取扱いには十分な留意が必要。
リスク
備考 日系の農家や信用組合も多数存在するため、協働の可能性あり。
参考動画

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